物忘れじゃない...募る母への違和感、ついに24万円が行方不明に

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ペンネーム:ぴろ
性別:女
年齢:53
プロフィール:夫婦二人、老犬と暮らしています。老犬もそろそろ介護が必要な今日この頃です。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

遠方に住む両親の元に娘の私が帰省するのは、2、3年に1回程度。電話も数カ月に1度くらいの関係です。

ある時祖母が亡くなって、葬儀のため実家へ帰りました。滞りなく葬儀が終わり、日常が戻ってきたその後のことです。母に聞きたいことがあった私は、折り返し電話をしてほしいと伝えたのですが、いつになっても電話がこなかったことがありました。これが7年前、母が71歳のときのことです。今思えばその頃から、認知症は始まっていたのだと思います。

それから数カ月後、母の腰痛が悪化して、私たち娘の住んでいる市の病院に入院することになりました。飛行機だと1時間程の距離なので、母は飛行機でやってきて、夕飯をみんなで食べ、食後の薬を飲みました。

そして次の日の昼のことです。「昨日、飛行機に乗る前食べた弁当はおいしくなかったわ」と言い出したのです。

実は母は、飛行機に乗る前にお弁当を食べて薬を飲み、そしてその2時間後くらいにさっきお弁当を食べたことを忘れて夕食を食べ、また薬を飲んだのでした。そして、次の日にふと「飛行機に乗る前にお弁当を食べた」ことを思い出して「おいしくなかったわ」という発言をしたようなのです。

私は、もしかして......と思い始めました。ですが、それ以外におかしいと思うところはないので、確信はありません。ただ、入院した病院に物忘れ外来があったので、ついでに診てもらうことになりました。

診察は、脳の状態を詳しく調べたわけではなく、簡単なテストをやっただけ。そしてこの時は、年相応の物忘れでしょうとの診断でした。その後は、気になりながらも、特になにもせずに1年ほどたちました。

そして1年後。母がまた手術した腰が痛くなったというので、再度、別の病院で診てもらうことになりました。

この時母は、ちょうどいいスーツケースがないと言っていたので、私が使っていたスーツケースを宅配便で実家に送りました。妹が到着したスーツケースを見て「お母さんいいスーツケースだね、そんなの持ってたっけ?」と聞いたそうなのですが、その時母は「あら、こんなの見たことないわ。いつ買ったんだろう」と言い、私が送ったものだということを忘れていたというのです。

ここでまた、「もしかして認知症では?」という疑問が浮かびました。でも他はやはり普通。前回、病院で年相応の物忘れと診断されていたし、話はできているし、私の気のせいなのだろうかと思う気持ちがまだ強くありました。

ただ、腰の病院の診察について行った時にも、母に違和感を感じました。自分の病歴がはっきり言えないのです。医師と話している母の様子はなんだか心細そう。私はお医者さんに気おくれしているのかしらと思いました。認知症ではないんだと思い込もうとしていたのでしょう。

ですが、まだ続いたのです。

母の入院中に、口座残高が足りなくなってしまいました。原因は、預金の引き落とし口座と年金の入金口座が別々だったからとのこと。そこで私は、口座をひとつにまとめた方がいいよと言ったのですが、退院してからも母はなかなか口座をひとつにしません。

もしかして、しないのではなくできないのかと思った私。「もうすぐまた帰るから、その時私がやろうか」と提案してみると、母は「助かるわ、お願いできる?」とのこと。

実家に帰った私は、注意深く部屋をこっそり見回りました。すると状差しに請求書がありました。どうやら、健康食品をダースで買ったようなのですが、商品は見当たりません。金額は15万円ほどでした。さりげなく「なんか買ったの? 請求書あるね」と聞いてみると、「?」という様子。買ったことを忘れていたようでした。

探してみると1箱だけがなくなった状態で見つけたのですが、飲んでいる様子はありません。聞いたこともないメーカーで、訪問販売で買ったもののようでした。

その他にも、簡保からお金を借り入れしている証書もでてきました。

銀行の通帳には残高があって、お金を借りるような必要はないのに、借りていたのです。

またさらに、私が来る前の日にお金を30万円おろしていました。手続きのために母と郵便局へ行ったときに郵便局の人が私に、前日に母がお金をおろしていたことを教えてくれたのです。

その30万円はどこへいったのでしょうか。もちろん私はもらっていません。かといって豪華な食事をしたわけでもなく、大きな買い物もしていません。母に聞いても昨日のことなのに「わからない」と言います。家中を探して押し入れから6万ほどでてきましたが、30万には足りません。結局ゆくえはわからずじまいでした。

ここにきて、私はやっと母は認知症なのだと実感しました。電話で話しているだけでは全く気が付きませんでした。私のなかの「母が認知症なわけがない」と思いたい気持ちが判断を遅らせたのでした。

もっと早く気づくべきだったと後悔の念が消えません。

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