昨今、在宅勤務が増えたとはいえ、出社しなければならない人たちにとって、通勤の満員電車は相変わらず続いています。兼業主婦の白鳥まろんさん(42歳)も、仕事に出るときの朝の電車が憂鬱に感じられるそうです。「座席が空くなら座りたい」そんな思いを抱いていたところ、目の前の空いた座席を強引に奪う人を見てしまい...。
※実際に身の回りで起きた実体験エピソードに基づき構成しています。
私(42歳)は郊外に住んでおり、仕事の時は都内に出なければなりません。
となると、憂鬱なのは朝の満員電車。
私は毎朝、同じ時刻の同じ車両に乗り、混み合うドア付近を避けて座席前の空間に移動しています。
そんなある日、朝からモヤっとしてしまう体験をすることになったのです。
その日は、いつもと変わらず満員電車に乗り、私はつり革につかまって立っていました。
そんな私の右隣にいたのは、年齢は50歳前後の男性。
男性は一見何も考えていないかのようにスマホを眺め、他の乗客となんら変わらない様子でした。
ところが...。
とある駅で、私の前に座っていた女性が立ち上がりました。
「あ、座れるかな?」と、たまたま女性の真正面に立っていた私は、自然な流れでそう思いました。
昨日あまり寝てなかったから良かった...なんて思いながら座ろうとした、その瞬間!
「痛っ!!」
右隣にいたその男性が、勢いよくぶつかって私を押しのけ、強引にその座席に座ってきたのです。
え、ええ...!?
ぽかん、とする私の前で、男性は私に謝ることもなければ目を合わすこともなく、しれっとした表情を浮かべ、何事もなかったかのようにスマホをいじり始めたのでした。
そりゃ確かに、その座席の正面に立っている人だけがその座席に座る権利を持っているわけではありませんし、厳密なルールは存在しません。
しかし正面にいた私が座りかけている中、離れた場所から強引に割り込んでくるというのはどうなんでしょう...。
以来、その男性の電車内での行動が目に付くようになったのですが、どうやら異常なほど席を座ることに執着している人のようなのです。
彼は普段から、自分の前の座席が空いた時だけでなく、斜め左・右の席が空いた時も、割り込むようにして席をゲット。
しかもそれだけではありません。
男性は、その車両内にいる「早めに降りる人」をリサーチしているようで、高確率で同じ人の前に立っているという、座席ゲットの玄人ぶり!
ある日、そのターゲットの前にポジション取りができなかった場合も、やはり彼は斜めから割り込むように席を奪い取っていました。
周りの乗客はみんな、唖然とした表情。
しかし男性だけはそんな車内の空気をもろともせず、相も変わらずしれっとした表情でスマホをいじっているのでした。
満員電車で座りたいという気持ちは分かります。
「とはいえ...そこまでする?」
「周りの人から白い目で見られてまで...?」
「席に座りたい気持ちはわかるけれど...」
と、男性を見るたびにあきれていた私。
朝からモヤモヤした気持ちになりたくなくて、今では違う車両に乗って通勤しています。
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