<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ととろん
性別:女
年齢:41
プロフィール:共働きの一児の母です。1年半前に結婚しました。子どもも授かり、7カ月で出産になりました。子どもは元気いっぱいです。
約2年前、2020年のことです。
野球の監督や畑仕事をこなすなど体力には自信のある父(70歳)ですが、咳がなかなか治らないので地元の病院へ検査に行きました。
さらに検査をすることになり、そこの病院から大学病院へ紹介状をもらって予約することに。
しかし、新型コロナウイルスに感染するのを恐れた父は、1年間ほど受診しなかったのです。
当然1年も経つと咳もひどくなっていました。
息をするのもきついようで、自分で酸素を購入。
つらくなるとその酸素を吸入して様子をみていました。
しかし、いよいよ酸素も効き目がなくなった父は、ようやく大学病院に再度予約を取り付けて診察を受けました。
検査結果は間質性肺炎。
これは難病指定の病気です。
「これは治らない病気です。進行をゆるやかにするしか治療法はありません」
医師からそう言われた父は愕然とし、何度も先生に「治らないんですか」と聞いていました。
「早く病院へ行っとけばよかった」
ボソッと言いながら肩を落とす父。
コロナが怖くて病院に行かなかった代償は、あまりにも大きかったみたいです。
診察後すぐに入院となり、ステロイド服用の調整、在宅での酸素の使用の仕方の訓練が始まりました。
以前は「酸素なんかできるか、恥ずかしい」と言っていましたが、今ではどこに行くにも鼻からの酸素は必需品です。
「今の世の中、コロナでみんなマスクをしていて酸素の管が見えないから良かった」なんて言っています。
また、ステロイドを投与することで筋肉も弱くなってしまいました。
以前は米を一俵抱えていましたが、もう難しい様子。
酸素をつけないとすぐにゼイゼイと音がしています。
筋肉が弱って首が座っていない赤ちゃんのように頭がグラグラするので、今では首を固定をするまでになりました。
こんな状況なのに、信じられないことにお酒が大好きな父は今でも飲んでいるのです。
お酒を飲むと咳が出るのに、です。
お客さんが来たときは調子に乗ってお酒の量が増えて、次の日は必ず「きつい、きつい」と咳き込んでるくせに飲むのをやめません。
そもそもこうなったのも、何度も大学病院へ検査に行くように話しても耳を貸さなかったのが原因ではないでしょうか。
それを後悔していたはずなのに、今では反省する様子もなし。
相変わらずお酒を飲んでいる父に、家族は呆れています。
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