運転免許証もパスポートもない!高齢者に必要な「本人確認できるもの」とは?

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ペンネーム:あめゆじゅ
性別:55
年齢:女
プロフィール:一昨年の秋に認知症でパーキンソン病をもった父(86歳)を呼び寄せて暮らしています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

ここ数年、何かにつけて本人確認書類の提出を求められますが、これ一つでOKという運転免許証やパスポートを持たなかった父の本人確認では本当に困りました。


最初につまずいたのは携帯電話の名義変更。父の使っていた携帯電話は、ひとりで暮らしていた父に、どこに居ても連絡がとれるようにと兄が自分名義で買って渡していたものでした。

今から1年半ほど前、一人暮らしの父に認知症の症状がみられるようになったので、私の家に呼び寄せて同居することになりました。携帯電話は、使い方もあやふやになってきているし、同居するのだから要らないだろうと解約するつもりだったのですが、父がどうしても持っておきたいというので名義変更することにしたのです。

引っ越し当日、名義変更のために宿泊予定のホテルから少し離れた場所にある携帯電話ショップに、兄と私と父の三人で出かけました。事前に必要なものを調べると、本人確認のための免許証かパスポート、それがなければ健康保険証などとありました。そこで、後期高齢者健康保険証と介護保険証、マイナンバーカードの通知カード、年金手帳などとりあえず本人でないと受け取れないようなものを持参。ですが本人を目の前にして「申し訳ありませんが、これでは本人確認できません」と......。仕方がないので携帯電話は私の名義にして父に持たせることにしました。

それともう一つは銀行の届け先住所の変更です。信託系の銀行も同様でした。電話で確認すると、本人が来店の上、本人確認できる書類をもって来るように言われたのです。そこでも免許証とパスポートを持たない父は本人であることの証明ができないことがわかりました。

マイナンバー通知カードを受け取っていたのが2015年の10月でしたから、その時にカードの申請をしておけばよかったのでしょうが、父はカードの申請方法もよくわからないような状態。仮にカードを作ったとしても、どこに置いたか忘れることも容易に考えられました。その時は特に必要性を感じていなかったこともあり、住基カード同様、あえて作らなかったのです。

しかし、本人確認できるようにするためには、顔写真入りのマイナンバーカードを作成するしかない......こちらに引っ越しして早々にカードの申請手続きをしたのです。

 

1カ月ほどしてやっとカードが出来あがり、受取案内の手紙が届きました。市役所の本庁舎まで来るように書かれていましたが、本人が受け取りに行くのに必要なものとして「本人確認書類2点」という記載。さすがにこれには参りました。顔写真入りのカードを本人が受け取りにいくのに、本人確認書類を持ってくるように指示されているのですから。「なんで!?」という気持ちは押さえて、とりあえずその時の本人確認には後期高齢者医療保険証と介護保険証の2つを持っていきました。
おそらく、役所側は受け取りに来たことの履歴を残したいのかもしれません。ですが、マイナンバーカードを申し込んだのは本人確認できるようにするという目的でしたから、とどめを刺されたような気分でした。


そんなこんなで作ったマイナンバーカード。おかげで本人確認に怯えることもなくなりました。2月には医療費の還付申告を行うときにも役に立ちました。
今は携帯電話の名義変更で検索すると本人確認の書類について事細かに書いてあります。本人確認の書類は役所や銀行によっても対応が違うかもしれません。ですが、いずれにせよ今後も求められるであろう本人確認。

私は運転免許証を持っていますが、老後のことを考えると私もマイナンバーカードを申請した方がいいのかなと思い始めています。

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