<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女
年齢:50
プロフィール:実母(79歳)と子ども(12歳)との3人で、ちょっと田舎に住んでいます。
私は自宅で自営業をしておりますが、このコロナ禍でほぼ休業状態。
来客も少なくなってしまい、人と会う機会が激減しています。
同居している実母(79歳)も同じで、コロナ禍であまり外に出歩けないため人と話す機会がめっきり減り、テレビが友だちとばかりに、朝から夕方まで古い2時間ドラマを見続けています。
そして、楽しみはお酒だけと夕方から飲み、夕飯を食べない日も多くなってしまいました。
母はお酒を飲むと、日頃不満があるのか、娘の私に悪態をつきます。
そして「気分が悪いから寝る」と言って早い時間に寝室へ行っては数時間後に起き、またお酒を飲み始めるのです。
私が子ども(12歳)と寝ようと思っていると「もう、寝るの?」と私にもお酒をすすめ、子どもにも「一緒にニュース見よう。ニュースを見ないと世の中が分からん」と誘います。
もちろん反論するのですが、癇癪を起します。
「私がここに居るからアカンのやから出ていく!」
「長生きしすぎてイランことばかり見てまうわ」
エスカレートして文句が止まりません。
そんな母を子どもが気を遣ってなだめていると、母はついさっきまでの言動を忘れて「子どもに気を遣わせて!」と私に怒り出して、ふて寝してしまうのが常でした。
こんなことがあっても、翌朝には、ほぼ覚えていない母。
前夜「ニュースを見ろ」と言われ気を遣って一緒にテレビを見ていた子どもが大あくびをしていると「夜が遅かったんやろ! 何時に寝たんや」と注意する始末です。
子どもが「昨日、ばあちゃんな...」と昨夜の話をすると、「嫌なことばっかりギャーギャー言われるぐらいなら、一緒に居りたくないから、別に暮らそう」と言い出します。
子どもも最近では前日の話は何も言わなくなり、母に「昨日、何かイランこと言うた?」と聞かれても「別に何も」と答えています。
先日のことです。
母が、昼の2時間ドラマを見ていました。
ある俳優さんが主演していたのですが、Aという警察を舞台にしたドラマを昼食を食べながら見ていたと思ったら、昼食後、同じ俳優さんが主演しているBという病院を舞台にしたドラマを見ていたのです。
Aの方はまだ途中だったはずなので、「さっき見てたのと違うよ」と声をかけると、「えっ? 一緒のやつやろ?」と答え、そのまま見ていました。
話の筋も全然違うのに、同じドラマだと思って見ているのです。
いくら主演俳優さんが同じといえども舞台が警察と病院とかなり違います。
それに気づかない様子に驚いてしまいました。
さすがに心配になったので、病院に行くようすすめたのですが「病院に言ってイランお金を払いたくない」と言って、行こうとしてくれません。
「私は、自分の思うように生きる!」と数年前に宣言した母。
でも自分だけが思うようにして、周りに迷惑をかけるのは違うのでは? と感じてしまいます。
それを実母に言うと大喧嘩になるし、何ともならないジレンマにハマっています。
以前のような明るい母はもう戻ってこないのでしょうか。
もう一度あの頃の母に会えるよう心から願うばかりです。
関連の体験記:胃薬を片手に毎晩揚げものをガツガツ。一度ハマると止まらない80歳父の困った食生活
関連の体験記:「最近の若者は...」なんて言えるほど立派な大人? パート先で出会った「地に足のついた若者たち」
関連の体験記:コロナ禍でも法事を強行しようとした義母。「嫁のあり方を学べてあなたは幸せ」と言われましても...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。