椿にご用心!びっしり整列、おぞましきチャドクガの悪夢

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ペンネーム:ふぉるてぴあの
性別:女
年齢:55
プロフィール:女性がX'masケーキに例えられていた時代、男女雇用機会均等法ができたというのに寿退社してしまった昭和世代

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

今から30年前、私が結婚してこの地に来た頃、我が家の周りはちょうど代替わりの時期だったのか、向かいと隣の家が空き家でした。空き家自体は問題なかったのですが、このあたりの古い家は垣根にはマサキや椿を植えていました。都会育ちで何も知らない私は、当時はまさかこれらにおぞましい毛虫がつくなんてこともこれっぽっちも知りませんでした。

春が過ぎ初夏を迎えようかという頃。窓を開けるようになると、窓の外からパリパリというかすかな音が聞こえてきました。ですが、音はするけど私は最初この害虫の存在に全く気が付きませんでした。この虫は、小さな頃は見えるところにはおらず、椿の葉っぱが食べられたのがわかるようになる頃には、それなりの大きさに成長している......そんな虫でした。

私は毛虫も芋虫も超が付くほど苦手。1年目その存在に気づいた時には、すでに大きくなってきていた頃。そこで見て見ぬふりを決めこみ、ひたすら成虫になって飛んで行ってくださいと祈る毎日でした。

そして2年目、春になる前から気にして見続けたところ、朝と夕に椿の硬い葉っぱの裏にびっしりと整列しているのを発見しました。日が高くなると這い出してひたすら葉っぱを食べまくり、お昼の休憩をはさんで午後にも食べていたかと思うと、夕方には葉の裏に戻って整列。この整列した姿を目撃した時、正直気持ち悪くて吐きそうになりましたが、偉大な自然の一部を垣間見た気がして感動もしました。

しかし、椿の木が成長して我が家にはみ出してくると、そんなことは言っていられません。

薬局で害虫駆除のスプレー缶を購入し、意を決して薬剤噴射です。ですが、すぐに心が折れました。というのも、その毛虫は糸を引きながら降下するのです。下に降りてくる途中で息絶えるのですが、大量の毛虫が糸にぶら下がったまま初夏の風に揺られた姿はまるで毛虫の暖簾。そんな状態でどうすることもできず、再び見て見ぬふりでなかったことに......。

そう、その正体はチャドクガ。あの時はインターネットもなかったので図書館に行き、図鑑で調べて判明しました。

それでも、成虫になってどんどん増えるよりはいいかと毛虫の暖簾は覚悟のうえで、数年間は葉の裏に整列しているうちに殺虫剤を使ってごみ袋で受けながらの駆除です。

そうこうするうち、数年後には両方の空き家の椿の木は切られて更地になり、新しい家が建ったのでチャドクガの心配はなくなりました。

今更ながらインターネットで調べてみると、大きなごみ袋で受けながら枝ごと切り落として袋の中に殺虫剤を噴霧せよと書いてありました。また、虫はタンパク質でできているので60度以上のお湯をかけるとよいとも。

さらに作業中はレインコート着用とも書いてありましたが、毛虫嫌いゆえに対応するときは長袖にしていたので、被害を受けた記憶はありません。また、年に2回も発生していたみたいですが、今ではそんなことはもうすっかり忘却の彼方に。

害虫といえども我が家の木ではなかったし、人にとって害があってもその虫自体には何の罪もないのに、駆除するというのもなんだか心が痛みます。

なので私はいつも「ごめんね~」と言いながら作業していました。

ですがそれももう言わなくても済むので何より......と思っていたら、夫の実家に椿の仲間のサザンカがあるのを発見!再び心を痛めています。

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