義両親と同居のストレス解消だった?「父と釣り」について思うこと

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ペンネーム:こんちぇると
性別:54
年齢:女
プロフィール:船酔いするから船には乗れない、餌のゴカイは気持ち悪くて付けられない、釣りには縁のない生活を送っています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

父は山間の村で育ったのですが、釣りが好きで、若い頃にはよく海に釣りに出かけていました。
幼かった兄と私も、父に連れられて電車に乗り、海の突堤などに何度か連れて行ってもらったことを覚えています。

父は、兄には、自分の趣味である釣りを一緒に楽しんでほしい、という父親心が働いていたのかもしれませんが、私のことは仕方がないから連れていくというおまけのような存在。小さい私には、普通の釣りでは海の底の岩に釣り針が引っかかるという"根掛かり"をするのがみえているので、竿などの釣り道具は貸してはもらえません。もっぱら私は突堤の周りのテトラポットで、タコ糸にスルメをつけて海中に下ろしてカニを釣り上げようとする、という、釣れもしないカニ釣りをしていました。
たまたま父が釣り上げた魚の目に針がかかり、目から血のような何かが流れて出たことがありました。それをみた私が「魚が泣いてる」と言ったため、父は小さな子供に殺生を指摘された気がして面白くなかったのか、それ以来私は釣りに連れて行ってもらえなくなりました。

そんな父ですから、私たちが小学生だった頃には、一人で五島列島や紀伊半島の潮岬など、いわゆる釣りスポットに出かけていました。

父は車の運転はしないので行くときはいつも電車です。もともと旅行好きではなかったのに、大きなクーラーボックスを提げて釣りに出かけていた姿を覚えています。今の私や夫の年齢よりずっと若い頃、40代だったでしょうか。今から思うと、舅や姑と同居していたのでひとりになりたかったのかもしれません。

夫はほとんど釣りには出かけませんが、近くに住む義理の弟は釣りが好きです。義弟が言うには、釣りの面白さは釣果のあるなしや魚の引きの楽しさだけでなく、ボケっと海を見ている時間もいいのだそうです。6年前から義弟は認知症になった義母と二人で暮らしていますから、ひとりでぼんやりしたい時があるのでしょう。

介護サービスが多くを担ってくれていても精神的に背負うものもあり、実の親でも認知症を患った親と暮らすのはストレスが溜まります。私たちが介護を手伝っていますが、夜中は義弟と義母と二人っきり。義母は今は要介護5で寝たきりですが、数年前は夜中に家の中をうろうろすることもあったのです。

 

その頃、義弟に日頃の介護のストレスが吹き飛ぶような、そんな出来事がありました。いつものように義弟は三浦半島まで船釣りに出かけ、そこでなんとも大きなサバを釣りあげたのです。そこで釣れるサバは有名な「松輪のサバ」です。体長が50㎝もあり、その船で釣りをした人たちの中でも一番の釣果だったようです。私たちも義弟から半身を頂きましたが、刺身だけでは食べきれず、塩焼きでも食べましたが本当においしいサバでした。これはきっと神様からのご褒美だったのかもしれません。

釣りはストレス解消にむいているのでしょうね。家族から離れてひとりになって、煩わしいことは釣り針とともに大海原に投げ放ち、うまくいけば美味しい魚も食べられる。

そう思うと、私も海に向かって思いっきり竿を投げてみたくなります。今ならきっと根掛かりすることはないでしょう。でも、残念なことに私は船酔いもするし餌のゴカイは気持ち悪くてつけられない。なので釣りは義弟に任せて、私も介護で頑張っているご褒美を期待することにします。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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