子供の独立は、親自身の「人生への向き合い方」を問われる時期

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ペンネーム:まりあ
性別:女
年齢:59
プロフィール:大家族で、いつも他人が出入りしている中で幼少を過ごし、「私だから出来ること」をポリシーにし、生きています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

私は現在夫と二人暮らしです。
今年、29歳の息子が結婚し、息子夫婦とは、自立、独立したカップルとして付き合いをしています。
振り返ると、「子供の独立」とはいうものの、私の中では親、特に母親である自分の精神的な自立と共に子供が自立し、巣から飛び立って行ったように強く思います。

私は、子供を生んだ時より、親と子というよりは、一人の人間と人間、という考えで子供と接してきました。

例えば、子供の高等学校卒業後の進路については、子供と学校の先生とのコミュニケーションを第一に考えて、どうしても口を出したくなるのを我慢するなど、「しないことリスト」を一つ一つ増やしていきました。
例えば、息子との会話で「〇〇大学どうかな」と言われたら、私は「そうね、あなたはどうしたいの」と返します。すると息子は「そうだなー」とつぶやき、数日後息子の方から、どこの大学、学部を受験するか、また、どうしてそう考えて決めたのか「報告」があり、その時私はいつも「良いと思うよ、あなたの決めたことだもの」と返します。

自分で考え、自分の意志で進路、道を決めていけること。そんな体験を積み重ねることに集中した一年を無事に終え、大学に入学しました。

大学入学と同時に始めたアルバイトの給料で、大好きな野球の道具を通販で買った時は、今も忘れない充実した笑みで、まるで宝箱を開けているように見えました。自立から独立へ歩んでいるのだなと、ほほ笑ましく思いました。

 

大学の4年間、子供はいろいろな人から刺激を受けて成長し、独立への準備は、親自身の自立の再発の時でもあると思いました。

子供が自立し、独立して行く姿は、子供が自分の足で歩き、体験し、まさしく一人の人間、大人と大人の関係になって行くことだと思いました。

「口出ししない」「時間の管理をしない」などの「しないことリスト」を幾つか作ったこととは反対に、どんな時にもやり通したことが一つだけあります。それは食事です。

大学の授業、シフトのアルバイト、野球部のリーグ戦や友達との交遊などで、不規則な中でも、朝5時に家を出る時でも、朝ご飯には手作りのサンドイッチを4年間作り続けました。
夕食は、家で食べる時は、どんなに遅くても、温かい物は温かくして出し続けました。
それだけは、いや、それがあったから、私自身安心していられたと思います。

 

就活の時は、幸いに数社から内々定を頂いた息子。「〇〇会社にしようと思うけど」と言われた私は「あなたの人生よ、あなたが手と足と頭を使い決めたのだもの。良いに決まっているでしょ。あなたの人生はあなたのもの、大丈夫に決まっている。おめでとう」と言い、息子は笑みをこらえている顔でした。

 

自分で歩んでいく道を自分で選び、歩んで行けることは、なんと幸福なことか、親としてというよりも、一人の人間として改めて思いました。

大学卒業と同時にアパートを自分で決め、自立から独立へと進んでいき、子供が独立して行く姿を見ていると、子供の独立とは言うものの、本当は、親自身自分の人生への向き合い方を問われていることだと思いました。

 
息子は同じ会社で働き続け、今年看護師の方と入籍しました。
彼女の仕事を理解し、良きパートナーとして日々を送っているようです。
今年はまさに子供の独立の年でしたが、改めて大人、子供と言うよりは、人と人、一人の人間として、尊重して接することが、いかに大切なことかと、痛感している今日この頃です。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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