性別:女
年齢:48
プロフィール:子どもが3人いるシングルマザー。3番目に生まれた息子はダウン症です。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
我が家はひとり親家庭です。子どもが3人いますが、3人とも同じ保育園にお世話になっています。1番目は1歳になってすぐに、2番目は3歳になる直前から、3番目は3歳から入園しました。そして、3番目の子どもが今年やっと年長さんです。
超がつく高齢出産の末生まれた3番目の息子は、21番目の染色体を普通の人より1本多くもって生まれてきました。いわゆるダウン症(21トリソミー)です。
そのため、健常児の子どもより全ての発達が遅めです。心臓疾患もあったので、赤ちゃんの時に大きな手術もしました。おかげで現在は特に問題もなく、マイペースに成長しています。
他の子と比べると見た目も一回り小さく、まだ言葉も数えるほどしか出ていません。でも、先生やお友だちと毎日過ごす中で、周囲が言うことはほぼ理解できるようになりました。身振り手振り、表情を使って自分の意思を伝えることもできるようになりました。
息子は3歳から通っていますが、クラスのお友だちはみなフレンドリーで優しく、息子のペースに合わせたやりとりをしてくれています。私がお迎えに行くと今日あった出来事をお友だちが伝えてくれることもありました。息子は自分がやりたい・こうしたいと思っても、なかなか言葉に出ないので、それを察したお友だちが代わりに先生に伝えてくれるという場面も多々あるそうです。
保育園の毎年の目玉行事の一つが、秋に行われる運動会です。一番盛り上がる種目は、毎年行われている年長組の全員リレー。クラスの子どもが2つのグループに分かれ、トラックを走ってバトンを受け渡しする普通のリレーなのですが、最初は息子がその競技のルールを理解できるんだろうか、ちゃんと走れるんだろうか、1人反対向きに走ったりするんじゃなかろうかと心配していました。
保育園へお迎えに行く時間帯に、時々練習している姿を見ることができました。すると、息子は同じグループのお友だちと一緒に手をつないで走っていました。先生方が色々考えてくださったんだなと、この練習風景を見るだけでちょっとうるうるしていました。しかも練習なのに、負けて悔しがって泣いているお友だちがたくさん。1つのことにこれだけ一生懸命になれる年長の子どもたちにも感動しました。
そして迎えた本番当日。今年は親子共に、保育園生活が最後の年ということもあって、上の子どもたちにもそれぞれカメラを持たせ、私は大きめのタオルハンカチを握りしめ(笑)、万全の準備をして、参観に行きました。
リレーでは、何と息子が1番走者でした。バトンを握りしめ、緊張の面持ち。もともと観客が多い所では固まってしまうことが多いので、大丈夫かと冷や冷やしました。先生のよーいドンの声で走り出しましたが、やはり大勢の観客がいる中で、途中で走りが止まってしまいました。すると、練習の時に手をつないで走ってくれていたお友だちがさっと来て、今日は手をつながず、声だけで「こっち、こっちやで」と指示してくれました。その言葉に助けられ、息子は我を取り戻し、その後は、終始にこにこ笑顔でトラックを回り、次の子にバトンを渡すことができました。その時点で息子のチームはすでに相手チームに1周差をつけられていました。練習の時も私が見ていた時は全て、息子がいるチームが負けていたので、本番も同じかな......と思っていたら、何と途中で大逆転。結果は息子のチームが勝ったのです。
負けてしまった方のチームの子どもたちは退場門のところで、全員座り込んで大号泣。勝ち負けはわかっていないような息子でしたが、一番よく面倒を見てくれる女の子の所へ行き、何と背中をさすりさすりしていました。年長組のママさんたちは私も含め、子どもたちと一緒に大号泣。大きめのタオルハンカチが大変役に立ちました。
どちらのチームもよくがんばったねと、みんなで褒めたたえました。優しくて、一生懸命なたくさんのお友だちと一緒に過ごすのもあと半年足らずになってしまいました。良い思い出をたくさん作って卒園の日を迎えてほしいなあと思っています。
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