こんにちは。山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を、嫁の目線で綴り始めてもうすぐ10年になろうとしています。
ある日、宅配で着払い45万の荷物が届くと連絡が。
前回の記事:老後のために貯めたお金が飛んでいく。自制がきかない義父の止まらぬ浪費/山田あしゅら
しばらくすると義父たちが2階から下りてきました。
おそるおそる、着払いの荷物が届く事、配達を午後にしてもらったことを伝えると、義父がブツブツ言い始めました。
「午前に届けろと言っておいたのに何で午後にしたんだ」と言うのです。
だって45万円ものお金。
義父がちゃんと用意してあるかどうかも分かりません。
すると思った通り。
朝ごはんを食べ終わったあと、義父はゆるゆると金融機関へお金をおろしに出かけたのです。
帰って来てからも、ブツブツ不機嫌そうな義父。
顔を見ると、既に目つきが変わり鬱々とした表情に。こうなると近寄ることは出来ません。
そこで少し遠巻きにしながら様子をうかがっておりました。
昼もすぎ、だいたい時間通り、2時過ぎにチャイムが鳴りました。
宅配の配達員さんが玄関へ運び込んだのは
高さ1メートルほどの長い箱とそれより一回り大きな箱でした。
するといきなり義父が
「検めさせてもらう!」と言うや
バリバリと外の梱包を破り始めるではありませんか。
中から出て来たのは体長50センチほどもある『かんのんさま』とそれを飾るガラスケースでした。
「ちゃ...着払いで45万円になりますっ!!」泣きそうな顔で言う配達員さんに「待っておれ」と言いながら義父は立ち去って行きました。
どうやら金融機関でおろしたお金を2階に取りに行ったらしいのです。
ところがしばらく待っても義父が下りて来ません。
仕方なく様子を見に2階へ行くと義父は何やら部屋中をドタンバタンと家探し中。
おろしてきたお金をどこかに仕舞い込んでしまった様子です。
やっとのことでお金を見つけた義父。
時は12月。
おそらく宅配業者は猫の手も借りたい時期のはずです。
もう既に30分近く待たされている配達員のお兄さんのことを思うといたたまれなくなって
と、つい催促する言葉も出てしまいます。
足の悪い義父。階段は下りの方が危ないので、つい、「お金私が持って行こうか?」と言ってしまったものだから、さあ大変。
「何を言うか!あいつらは仕事だっ!待たせて何が悪いっ!」
と、瞬間湯沸かし器に火をつけることに...。
それでも何とか玄関までたどりつき配達員さんにお金を渡すと
義父の尋常ではない表情を見て不安を感じたのでしょう。
配達員さんはすがるように私に助けを求めて来ました。
すると、とうとう義父が一気に爆発。
「何で金を払うと言うのにヨメを呼ぶ!」
「午前に来いと言ったのに何で午後に持って来た!」
「だから○○(業者名)はキライなんだ!」
と100%言いがかりの上、大荒れしはじめたのです。
しまいには何を言っているのか分からないことを叫びながら再び2階へお金を取りに行くのでした。
結局、1時間近く足止めをくってしまった配達員のお兄さん。
残りのお金を受け取るとほうほうの体で帰って行ったのでありました。。
...申し訳なし。
後に残されたのはまだ頭から湯気の出ている義父と私。
怒り狂っている最中は何を言っても届かないのです。
こういう場合はまず視界から姿を消すしかありません。
怒りをぶつける標的がいなくなれば次第にクールダウンしていきます。
さすがに義父も高齢者。怒りは結構体力を使いますからそう長くは続かないのです。
ケガをされると厄介なので、冷めたころを見計らってかんのんさまとガラスケースは2階へ上げておきましたけどね。
理屈は全く通らない。
そんな期間はその後もほぼ半年ほど続いたのでありました。
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