無くした時に運命は決まっていた? 「ダイヤモンドは永遠に」輝かなかった私の夫婦生活

ダイヤモンドは女性の憧れ。男性からプレゼントされるととても嬉しいものです。ただし、高価だけれど小さな物なので、うっかり無くしてしまうことも...。もしかしたらそれは、プレゼントしてくれた男性との関係を象徴しているのかもしれません。
※実際に身の回りで起きた実体験エピソードに基づき構成しています。

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これは、私(62歳)が30代前半で結婚していた頃の出来事です。

9歳年上の夫が、海外のお土産にと、免税店でブランドもののダイヤモンドのネックレスを買ってきてくれました。

そんなことはめったになかったので、とても感激したのを覚えています。

「すごい、ありがとう!」

そのネックレスは、もちろん私のお気に入りのアクセサリーになりました。

それから数年たったある日のこと。

外出する時に、あのネックレスをつけて出かけようと思い、普段からそこにしまってある引き出しを開けたところ...ないのです、夫からもらったあのダイヤモンドのネックレスが。

それまでにも何度かうっかり置き忘れたことはあったので、その時も、ちょっと探せば出てくるだろうとたかをくくっていました。

しかし、家中のどこを探しても出てきません。

洗面所、寝室、ソファの隙間、バッグの中、コートのポケット...数日あちこちを探しましたが、どうしても見つからないのです。

前回身につけた時のことも思い出せないし、もしかしたら、外出先で落としたりでもしたのかも...。

私はついにあきらめ、「どうやら今回は本当に、無くしてしまったらしい」という結論に至りました。

さて、困った!

夫に「無くした」なんてとても言えません。

何かの時に、「あのネックレス、していけよ」なんて言われたら、どうしよう...。

悩んだ末に私は、夫に内緒で同じものを購入することにしました。

鑑定書があったので、そのブランドのお店に持参すると、「このデザインは国内では扱っておりません」と言われてしまい、ショーケースの中に似たような商品を探したものの、高くてとても手が出ません。

私は、街の宝飾店に相談して、自分のお小遣いで頼める予算で、似たデザインのネックレスを作ってもらうことにしました。

そうしてやっと出来上がった時には、ほっとしたものです。

ただ、今思えば、この小さな秘密は、私と夫の未来を象徴していたのかもしれません。

というのも、その後、価値観の違いや気持ちのすれ違いから、私たちの関係は少しずつぎくしゃくし始め、やがて「離婚」という結果を招くことになってしまったからです。

夫からもらったあのダイヤモンドのネックレスを無くし、それを内緒にするために私がとった行動は、今振り返ってみると、夫との信頼関係を失うことになった最初の出来事だったような気がしてなりません。

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著者:マロニエ
アラ還シングル。いろいろあって今ひとり。100年長生き時代、人生は60からが面白い!

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