映画館は一般的に60歳以上がシニア料金。還暦を過ぎるとぐっとお得に映画を楽しめるようになります。映画好きにとってはとてもうれしいことですが、60歳になる「だいぶ前」にシニアと間違えられたとしたら...それ、全然うれしくありませんよね。
※実際に身の回りで起きた実体験エピソードに基づき構成しています。
女性はいくつになっても若く見られたいもの。
アラ還の私(62歳)とてそれは同じです。
数年前、60歳までまだだいぶ間がある53歳+数カ月というある日、とあるミニシアターでの出来事です。
そのミニシアターには自動券売機がなく、スタッフから直接チケットを購入するシステムでした。
私は、受付の若い女性スタッフ(たぶん20歳くらい)から当日券を買おうとして、「大人1枚お願いします」と伝えました。
すると「一般ですか? シニアですか?」と返されてしまったのです。
一瞬、何を言われたのかよくわからずに、「え?」と聞き返すと、彼女はもう一度「一般ですか? シニアですか?」とくり返すのでした。
ショックでした...、そんなことを言われたのは初めてだったので。
いつも「10歳は若く見える」と言われて、まぁそれはお世辞半分にしても、太ってもいないし白髪もないし、シミもシワもそれほど多くもなく、少なくとも4、5歳は若く見えるんじゃないかな~と思っていたのに...。
まさかいきなり「シニアですか?」なんて聞かれるとは思わず、「一般です!」とはっきり答えた私。
通常料金を払って映画を鑑賞したのですが、さっきのあの「シニアですか?」の声が尾を引いてしまって、なんだか集中できなかったのでした。
後日、冗談めかして年上の友人(65歳)にその話をすると、彼女は言いました。
「そりゃ失礼だわ。シニアっていうのは、普通、安くしてもらうために自分から申告するものでしょ。シニアですかって聞くなんて、ゼーッタイ失礼よ」
「ですよね~」とうなずきつつも、私の心の中にはさまざまな思いが浮かんできました。
きっと若い人たちの目には、50代も60代も同じに見えるんだろうなあ。
あの受付の若いコ、むしろ親切心で確認しようとしてくれたのかもしれないなあ。
私が「え?」と聞き返した時、耳が遠いのかと思ってくり返したのかも。
あ~、やだなあ...などと、あれこれ思いを巡らしながら、ついにはもしあの時に「シニアです」って言っていれば安くチケット買えたのにと気付き、遅まきながらも後悔したのでした。
それから数年後、正真正銘の60歳・シニアになった私。
映画館でチケットを購入する際はいつも、相手に確認される前に「シニアです!」と言って、必要があればにっこり微笑みながら身分証を提示して、堂々とお得に映画を鑑賞するようになりました。
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