モラハラDV夫との結婚生活、そして夫から逃げるまでを綴ってきましたが、夫の元から逃げて、はい、終了ではなく、その後現在に至るまでは乗り越えなければならない壁がたくさんありました。
モラハラDV夫から逃げたその後の生活、7年間の出来事を書いていきたいと思います。
【前回】DV夫から逃げて始めたワンルーム生活。高校生の息子との2人暮らしは気を遣うことばかりで.../chii
【最初から読む】モラハラ結婚生活から熟年別居に至るまで。新婚旅行先のハワイで夫は豹変した/chii
息子とワンルームアパートで暮らし始めてからすぐに、私立中学の卒業式がありました。
裕福な家庭の子が多かったせいか、保護者はきらびやか恰好で出席をしていて、着物の方も何人かいたと思います。
私は、元わが家から持ってきた地味目の紺のスーツで出席し、母子家庭になったことを気付かれないように何食わぬ顔でいました。
23年間のモラハラDV夫との結婚生活も卒業したんだ、これからは2人で気持ちをあらたに頑張ろうと思いにあふれていました。
そしてすぐに公立高校の入学式。
息子自身も中学生活ではいじめにもあい、苦々しい思い出がたくさんあったので、高校では気持ちあらたに頑張ろうと思っていたはずです。
息子は、私のパートの給料だけではやっていけないことがわかっていたので、すぐにアルバイトをはじめました。
一番お金になる仕事だと、安易な気持ちではじめたのが引っ越しの助手です。
朝早く起きて、ずいぶん遠くまで行っていたようで、夜遅くクタクタになって帰宅しました。
学校が休みの土日のみやっていたのですが、最初は張り切っていっていたのに、だんだん暗い顔で帰ってくるようになりました。
そしてある日、もう行きたくないと言い出したのです。
私は何があったかも聞かずに、「働くってことは大変なんだよ、もうちょっと頑張れ」と励まし続けました。
結局は、1カ月くらい続けて引っ越しのバイトはやめたのですが、ひどい話をたくさん聞きました。
高校生になったばかりの息子、まだ半分子どものようだったと思います。
それなのに「重い荷物を持てない、気がきかない」、そして極めつけは、「こいつは使えない」と目の前で言われたそうです。
使えない人間という言葉に、息子はすいぶん傷ついたと思います。
高校生になるまで、「おまえはだめだ」という父親からさんざん言われてきた言葉とシンクロしてしまったのか、ひどく落ち込み、将来を悲観するようになってしまったのです。
私は、息子には強くなってほしいと思っていたので、乗り越えろと言い続けてしまったことが、間違いだったことに気付き、とても後悔しました。
自己肯定感が極端に低い息子が、さらに自分を否定するようになっていきました。
「俺の将来は真っ暗だ、俺はだめな人間なんだ」とつぶやくようになってしまったのです。
「自分に向いている仕事が必ずあるはず、引っ越しのバイトは向いていなかったとわかっただけでもいいんじゃない? 良い経験になったよ」と励ましました。
お互いに言えることですが、ワンルームに2人で暮らしていると、逃げ場がないので、元気がないとか疲れているとか、イライラしているなどわかってしまうのです。
息子も1人になりたいと思う時があったでしょう。
引っ越しのバイトで得たお給料で、自転車を買い、それで高校に通っていた息子です。
「お小遣いは自分で稼がないと」という思いもあったので、すぐにスーパーの品出しのアルバイトを決めてきました。
こちらは高校の授業が終わってから夕方に行っていましたが、だんだんと勉強と部活とバイトの両立が難しくなっていたようで、疲れた表情を見せるようになっていきました。
その頃から、「なんでこんな貧乏なんだ?」と私にイライラをぶつけてくるようになりました。
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