アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
息子の通う高校でPTAの副会長に任命された時のお話です。
【前回】長年の悪習を今こそ断ち切れ! 3年生保護者が好き勝手するPTAに定例会で切り込んでみた
PTAの定例会にて、行事委員会の報告に私からなんだかんだと指摘され、やっと終わったかと思っただろうがここで終わるわけが無いのが私だ。
「続きまして。先日の地域清掃時に提出されました領収書に対してご質問します。この『お茶菓子等5000円』とありますが、その内訳をお願いします」
「その通りですけど...」
行事委員長が言う。
「この領収書って手書きですよね。レシート等の添付は無いですよね。飲み物やなんや全部合わせて1枚の領収書にまとめたって事ですか?」
「はい、その通りです」
「で? 合計5000円になったと? 端数無く?」
ようやく何に対して指摘されているのか気が付いた行事委員長。
「レシートは保管されていますか?」
「いえ...」
「飲み物はここの紅茶やコーヒーを使ったので購入していなかったんじゃないですか?」
「.........」
「どうですか?何本か購入なさったんですか?本部と行事委員と各委員会から何名か出て頂いて、合計30人以上ご協力頂いたんですから相当重かったと思いますがいかがですか?」
「飲み物は買ってません...」
「そうでしょうね。当日参加した私達も頂いていませんし目にもしていませんでしたから。でしたら『お茶菓子等』ではなく全て『お茶菓子代』と言う事ですね」
行事委員長は下を向いてしまう。
「で? 当日その5000円分のお茶菓子はどうされましたか? 机の上には1000円程度のクッキーやチョコレート程度は見ましたけど、食べて無くなったら次を出すつもりだったんですか?」
「あの! いったい何が言いたいんですか!?」
3年ボスの川上さんが我慢ならずの様子で口を開いた。
「でははっきり言います。《お掃除の後に会議室でお茶菓子のご用意をしています》と言う事を委員の方へのお手紙やファックスに書いていませんでしたよね? 私も知りませんでした。お掃除の最中に『お帰りの際には~』とお声がけに来られましたけど、皆さんそんな予定で来られていなかったのでお掃除が終わり次第お帰りになられました。会議室に戻ったのはここにいる私たちだけです。そしたら既にお茶をしてらっしゃる方がいらっしゃったのでびっくりしましたけど、あの後、その5000円分のお茶菓子はどうされたんでしょうか?食べた方、いらっしゃいますか?」
2年・1年の役員たちが小さく頭を振っている。
「お菓子はどうされました? 私まさかお茶菓子代に5000円も使ってるとは思っていなかったんで、今日この場で出て来るのかと思ったんですけど。3年生の皆さんで分けて持って帰られたんですか? えっ? 貰いました?? 貰わなかったのは私だけですか?」
「いや、貰ってないし見てない」
本部2年からも声が出た。
「いいじゃないの! お菓子くらい! みんな大変なお世話をしてくれているんだから!」
今度は元会長の米沢さんが口を開く。
「大変なお世話ですか? 掃除用具の確認に私もご一緒しましたけど、全部学校がしてくれているのを確認しただけですよね? おまけに当日行事委員長は全く掃除をされていませんでしたし。その『大変なお世話』と言うのは、ご自分達が食べて持って帰る為のお菓子の買い出しですよね? それって大変ですか?」
「だから当日声をかけて回ったじゃないの!」
「なんで前もって参加者にアナウンスしていなかったんですかね? それも最初じゃなくもう終わりがけでみんな解散しようかって時に言われても。『どうせ誰も会議室に来ない』って言うのを見越しての事じゃないかと思っちゃいますけど。で? お菓子はどうされました?」
再び行事委員長に向かって言った。
「あの...、あの...」
「もう! 私が払うわよ!」
米沢さんがバッグから財布を出し、5千円札を机に音を立てて投げつけた。
「どうして米沢さんが払うんですか?」
「もうこれでいいじゃない! たかがお菓子代の事で!」
だから、あんたがなんで絡んでくるんだよって。
「米沢さんからこの5000円を頂くと帳簿上困りますから受け取れません。寄付になりますからね。もしかして、米沢さんも持って帰ったんですか?お菓子」
「もうこれでいいでしょ!」
「帳簿に記載するにはこの5000円は『入金』の項目に『米沢さんからのご寄付』と書く事になります。委員長さんには領収書通り5000円お渡しする事には変わりません」
金払うからこれでいいだろと言いたいんだろう。
「あの、私その領収書要らないです! すみませんでした...」
行事委員長が下を向いたまま言う。
私は米沢さんに顔を向けて言った。
「その5000円は彼女にお渡しすればいいんじゃないですか? そうですよねぇ? 川上さん」
川上さんはギョッとした顔をして下を向いてしまった。
「今まで各委員会さんでも同様に、なぜか端数無しのきっちりとした金額での私製領収書が提出されていますが、過去の物は全て出金もされて帳簿記載も終わっていますので改めて確認をする事はしませんが、今後はレシートも一緒に提出してください。レシートの無い物に関しては明細を書いて出してください」
各委員長(3年)達の顔が険しい。
「なんなのよ! もう!!」
米沢さんが机を大きな音を立てて叩いた。
「このお金はポケットマネーではなく、PTA会費から出ている公金ですから!」
こんなに会計がザルだったとは、よっぽど長年3年のやりたい放題だったんだろう。
「清水さん! ちょっと来て!」
定例会終了後、米沢さんは会長の清水さんを睨みつけながら言った。
プリプリと怒って会議室を出て行く米沢さんの後を続くように、川上さんをはじめ3年生たちが出て行き、その後ろを会長が慌てて出て行った。
恐らく今から喫茶店か何処かで戦略会議でもするのだろう。
「やったね! だから地域清掃の時にあの場では何にも言わんかったんや!」
残された役員たちが口々に言う。
「あの場で言うてたら、今回領収書を出さんかったかも知れんでしょ?」
「なるほど~」
これで懲りてくれたら助かるんだが...。
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