アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
息子の通う高校でPTAの副会長に任命された時のお話です。
【前回】PTAで地域の清掃活動へ。なぜか来ない行事委員長は会議室で優雅にお茶タイム!?
皆が地域清掃を頑張ってくれているところ、会議室で優雅にも紅茶を飲んでいた元会長に3年ボスと行事委員長。
「3年は皆さんのサポートをする立場!」と豪語してこちらを睨みつけた元会長に、その場でなんだかんだと言うよりも効果的な方法が私の頭には浮かんでいた。
要は、そこら辺の道端でワチャワチャ言い合うよりも、きっちり白黒付けられる場で言う方が効果は絶大なのだ。
そして定例会の日を迎えた。
会議が始まる時間には、心の中でゴングが鳴る。
それぞれの委員会からの報告が続いたあと、行事委員長からの報告が始まった。
「当日は皆さまご参加ありがとうございます。PTAからの参加は○○人で、教頭先生からお礼を頂きました。また来年も引き続きよろしくお願いしますとの事です」
............。
「で? それで終わりですか?」
「えっ? は、はい...」
「えっ!? 終わりなんですか!?」
.........。
行事委員長は無言で下を向いてしまう。
恐らく今日も呼びもしないのに来ている元会長の米沢さんか、3年ボスの川上さんからの助け舟待ちなんだろう。
「ではこちらから気になった点を申し伝えさせて頂きます。皆様にお聞きしたいのですが、私は昨年役員ではなかったので清掃行事には参加しておりませんでした。そこでです! 私は存じ上げませんでしたが、PTA行事や活動時には3年はサポートする立場のみで実際に手を出す事無く指示のみでいいというのは本当でしょうか?」
「あの! その事ですけど!」
米沢さんが口を出してきたが、私はそのまま発言を続けた。
「PTA規約にも今までの議事録を確認しても、そんな事は一切書かれてないんですよね。そんな事、いつ決まったんですか? 皆さんそんな決まりがある事をご存じでしたか? 1年生の皆さんは今年初めてなので、私と同様に初めて聞く事だと思いますが、2年生の皆さんは去年もそうだったんですか?」
2年役員数人がウンウンと頷く。
「そしてそれはどういう形で知ったんですか?」
2年役員の一人がおずおずと発言する。
「当時の3年生がこうだからって...」
他の2年も次々と頷く。
「ではそれは、別に決まりでもなんでもなく、単に『3年になったら指示だけでいいのよ』って言ってるだけって事ですかね? 『3年は指示だけで、2年・1年にやらせとけばいいのよ』って事なんですかね?」
2年達の頷きが大きくなる。
「それは今までずっとそれでやって来たんです! あなたは知らないでしょうけど!」
3年ボスの川上さんが、頭を後ろに反らせて見下した角度で私を見ている。
「今までずっとそれでやって来たからなんなんです? 伝統とでも言う気ですか?」
「私達も1・2年の時は、3年は指示だけで動くのは1・2年というのをやって来たんです!」
「だから今度は自分たちが3年になったんだから楽できる立場だと? それって自分が嫁イビリされたんだから、息子に嫁が来たら同じようにイビってやる! だって私もそれに耐えて来たんだから~みたいな感じですよね?」
川上さんが唇を嚙んで悔しそうにしている。
けれどもよく見たら、3年の一部の人は下を向いてピクリともしない。
見た感じでは、自分たちも言われていることが今まで気になっていたんじゃなかろうか。
手を出したくても、自分一人だけ2年・1年と一緒になって行動すると何言われるか分からんので、今まで右に習えだったんじゃなかろうか。
「では、暗黙の了解の中、決定事項の様に次の学年へと受け継がれていくのははなはだ不本意ですので、今後のPTA活動や行事では『3年は指示だけで何もしなくていい』というのはこの際改めて頂きたく思いますが皆様いかがでしょうか?」
「あのねかづさん、このPTAはね...」
今度は米沢さんが私の方を向いて座り直して口を開く。
「では賛成の方は挙手をお願いします!」
その場にいた2年・1年全員が手を挙げる。
私と米沢さんに挟まれておろおろしているだけの会長に向かって、「皆さんのご意見ですから♪」とにっこり笑って微笑んでみた。
「では賛成多数ですので、今後のPTA活動や行事では学年関係なく全員で取り掛かるという事をお願いします。書記さん、ちゃんと議事録に記載をお願いしますね」
「ちょっと待ってよ!!」
米沢さんが今度は身を乗り出して両手を上げて言いだした。
はぁ...、そもそもこの人に発言権は無いし、議決権も無いのに何しにこうも口を出してくるのか。
私は大袈裟に大きく深呼吸してから米沢さんの方を向いた。
「なんでしょうか?」
「今までずっとそれでやって来たって言うてるでしょ! 3年の意見も聞かんで、1・2年だけで決めてそんなんおかしいやん!」
「1・2年だけで決めて? 『3年はサポートのみ』っていうのは1・2年も納得しての決定だったんですか? 1・2年の承諾も取らずに勝手に3年が決めた事を長年引き継いできただけですよね。2年は嫌々受け入れて、1年は『はぁ? これはなんで?』と思ったまま言うに言えんで、3年でもみんながみんな『3年になったぞー! 今度は私らの番やー!』って思ってる人ばっかりやないと思いますけどねぇ? 3年生の皆さんいかがですか?
1・2年の時は我慢してたんやから、今度は自分らが楽する番やって思っていらっしゃるんですか? 思ってるって方、挙手しておっしゃってください。ご意見はお聞きしますから」
案の定誰も手を挙げることなく、3年で下を向く人数が多くなっている。
「ご意見を伺いましたけど、どなたからも無いようですが?」
米沢さんが「何か言えよ」と言いたげに川上さんの方を向いたが、川上さんも下を向いている。
「では今後はそれでお願いします。で、副会長ですから行事に参加は当たり前ですが、可能な限り私も各委員会の活動には参加する予定ですのでよろしく」
川上さんがピクッと動いた。
「続きまして...」
やっと終わったと思ったのにまだ何かあるのかと、川上さんと行事委員長がギョッとして頭を上げた。
いやいや、ここからですから。
改めて椅子に座り直した。
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