アメブロで「～こんな事を言っちゃあなんですが！～」を運営しているかづと申します。
息子の通う高校でPTAの会長に選出された時のお話です。
【前回】教職員はPTA会費でタダ酒が飲めるって!? 納得いかない予算の使い道に私がとった行動は
歓送迎会後の二次会・三次会の教職員分の費用を毎年PTA会費から出していたと聞き、私は店の玄関を出たところで両手を天に向けて広げて「解散！」と宣言した。
唖然とした教職員たちの間を黒木さん達と一緒に駅に向かった。
何が起きたのかわからずの役員さんもいたが、黒木さんはおろおろしていた。
「かづさんんんん!! ええの？ かまへんの？」
「だって、ポケットマネーで奢ったるんとちゃうで？ PTA会費からなんで先生達の飲み代出したらなあかんの!?」
「そ、そやけど...。ほんまにええの？」
「あんな、よう考えてみ？ こんなことが公になったら、私らが使い込みになんねんで!?」
黒木さんは絶句した。
何の話なのか聞き耳を立てていたほかの役員さん達に、お時間があるなら喫茶店にでも行こうという話になった。
喫茶店でさっきの経緯を説明したら、一様に声を上げて驚いた。
「えぇえぇぇ!! じゃあ、毎年先生たちの分はPTAの奢りやったん!?」
「嘘っ!! 信じられへん！」
そりゃそうだろう。
私自身もさっき聞いて驚愕でしたから。
「これさ、私らP側やけど、これが一般側やったとしたらどう思う？ なにを勝手に飲み代に使ってんねん!? って思うやろ？」
うんうんうん
皆が頷く。
「お前らの金でもないのに、なにを奢ってんねん!? って思うやん。いくら校長に『後のことはよろしゅう！』って言われたからって、これがもし公表されたらPTAの金に手ぇ付けたんは私らなんやで!? それに『校長から言われて...』って言うたところで、校長は『わしそんなこと言うてへん』って言うに決まってるやん！ それこそ『そんな金が出てたやなんて知らんかった』って言うで！ 私悪いけど、個人の金でもないのにそんな金出してええなんて、よぉ言わんわ！ あんたらやったら出す？？」
皆が揃って首を横に振る。
「1年の時は名前だけの会計状態やったからわからんかったけど、去年の歓送迎会の後の二次会の時に、清水さん（前会長）に『先生の分は出しとって』って言われた時にびっくりしてん。そやけど...、ずーっと毎年そうやったからって言われて...。いや、そら私もおかしいなとは思ってたんやで！ けど...、なんかあらへんやろか...？」
黒木さんは教職員らを飲みに連れて行かなかったことで、校長をはじめ教職員らからPTAに非協力な態度をされないか心配だと言った。
「それって私らだけの秘密にするからやろ？ それに、そもそも飲み代を出してもらったから協力しますって言われるほどの協力って、具体的に何をしてもろてます？ 歓送迎会にすら出て来んかった先生らもいますねんで？ その先生らは、自分らは奢ってもらってへんからって非協力的ですか？ ある意味賄賂ですやん。それもPTA会費を使こての。 監査さんは知ってはった？」
「いや知りませんでした」
監査は帳簿と領収書さえ合っていたらOKの仕事なので、それが何に使われたお金かまでは知らなかったらしい。
「これで出してたら、私と会計が勝手に出した金になってんで」
黒木さんの顔がみるみる青ざめた。
「とりあえず次の会議で全部話するわ」
ひとまずそれでお開きになったが、黒木さんは前年度の出費に関与していたことを心配していた。
厳密に言えば前年度の話は前会長と黒木さんしか知らなかったことなので、責任の所在と言えば黒木さんも当てはまるが、黒木さん一人が拒否できる状況ではなかっただろうと思える。
まぁ、私だったらそれでも拒否っていただろうが、当時私は外からいきなり入ってきたスパイだと思われていたので、黒木さん一人にその判断は無理だろう。
翌月、第一回目の定例会が開かれた。
あらかじめPTA担当の坂田先生には議題に出すと話をしたせいか、この日は欠席だった。
最初に会長の挨拶から始まるが、早速その話を出した。
「～ということで、今回の歓送迎会から、二次会・三次会は各個人で行ってもらうとして、PTA会費から教職員の分の飲食費を出すことはしませんでした。 もし『Pと教職員の円滑な関係を保つために出すべきだ』とお考えになる方がいらっしゃったら発言してください。会議にて議題にも出ず承認の取れていない出費は議事録にも載りませんから、会長の独断で出した金ってことになってしまいますからね。まぁ、それで今まで上手いことやってたんやっていうご意見もあるかもしれませんが、会長のポケットマネーならいざ知らず、公金ですからね。私は自分の一存で、『出しといて』ってよう言いません」
「はい」
委員の手が挙がった。
「それは今までずっと先生方の二次会や三次会費は、私らの知らないところで出してたってことですか？」
「そうです」
「えー!!」
あちらこちらから驚きの声が漏れた。
「ですから、皆様のご判断をお聞きして確認させて頂きたいんです。私と会計さん二人で『出したろか』って言うて出すものではありませんので。今後同様の要求があった場合には、出費した方が良いと思う方挙手をお願いします」
当然誰も手を挙げず、続いて反対には全員挙手で決まった。
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