<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まるおじ
性別:男性
年齢:53
プロフィール:専業主婦の妻と大学生、中学生の子ども2人の4人家族の父です。子どもが同時に中学・大学に進学してお金も精神的な負担も大変でした。
今年80歳になった父の話です。
ちょうど運転暦50年を迎えることとなった父は、昔から車好きでオートマ車が全盛の今でもマニュアル車に乗り続けており、運転には自信を持っていました。
私はそれほど運転に自信がなく、早々にオートマ車しか乗らなくなってしまったので、そんな父をカッコいいと思っていました。
しかし、そんな父も近年は年齢のせいか、「発進時のエンストや運転中にひやりとする回数が増えてきた」と母が言い出すようになりました。
最近は高齢者ドライバーの判断ミスや運転ミスの大事故もたびたび報道されています。
私も心配になってきたので、父に「自動ブレーキやぺダルの踏み間違い防止の装備されたオートマ車に乗り換えたほうがいいのでは」と勧めてみたのですが...。
「そんな車には乗りたくない。そもそも、そのような機械に頼っていてはダメだ。自分の力でマニュアル車を運転できなくなったら運転をやめるから」
そう言って、かたくなにアドバイスを聞き入れませんでした。
しかし、あるときに交差点の右折信号待ちから車を発進させようとしたところ、マニュアルのシフトミスをしてしまい車が交差点でストップ。
後続車が追突してしまいそうになったことがあったそうです。
自分のミスで事故を起こしかけたこと、何より周囲に迷惑をかけてしまったことに大きなショックを受けた父は、免許の返上を考え始めました。
そして、2022年の5月に「これを最後のドライブにしようと思う」と言って、夫婦で昔よく行っていた山道に出かけました。
最後のドライブを祝福するような好天に恵まれ、満足して帰路につこうとしていたとき、普段は空いている山道にもかかわらず、なぜか何台も車が連なる渋滞が起こっていたそうです。
父が前の車の人に話を聞いたところ、先頭のマニュアル車に乗っている男性が気分が悪くなり運転できなくなってしまい、すれ違いもできない場所で車が止まったままになっているとのこと。
誰かが車を動かせばいいのですが、マニュアル車を動かせる人が周囲にいなくて困っていました。
そこで、父が申し出てその男性に代わり車を安全な場所まで移動させたそうです。
これに対して周囲の人たちから賞賛を受け、居合わせた若い男性から「マニュアル車を運転できるなんてカッコいいですね」と言われた父は、すっかり自信を取り戻して、免許返上を撤回してしまいました...。
今も父は周囲の心配をよそに車を運転し続けていますが、くれぐれも無理はしないようにしてもらえたらと思っています。
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