「父と母と出かけたときのことです。父は認知症の症状が出始めていて、目を離した隙にどこかへ行ってしまったのです。土地勘のない場所で父が見つからず焦っていると、知人から連絡が入りました」
■認知症の症状が出てきた父。外出先で行方不明に!
喜寿を越え、父に認知症の症状が出てきたときの出来事です。
父に少しでも豊かに過ごしてほしいと思い、音楽会や博物館、美術館、テーマパークなどなど、車で父を連れてよく出かけていました。
今から14年前、名古屋の美術館で「浮世絵展」があるというので、父(当時79歳)と母(当時71歳)、私(当時47歳)で出かけたときのことです。
父は、歌麿、国芳、春信、北斎などの名品を一点一点、食い入るように見ていましたが、ほんの一瞬目を離した隙にどこかへ行ってしまいました。
あちらこちらを必死に走って探し回りましたが見つかりません。
速く歩くこともできないので、行動範囲は限られていると思ったのですが、土地勘のない名古屋です。
どちらの方向に行ったのか全く見当もつかず、見つけることができませんでした。
仕方がなく警察に捜索願を出しました。
でも、警察は調書は取るものの、なかなか動いてはくれませんでした。
警察は事故でも起きない限り何もしないんだ、と思いました。
ただただ無駄に半日が過ぎた頃です。
独自のネットワークを駆使して捜してくれていた名古屋在住の知人から「病院にいるらしい」との連絡がありました。
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