<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちーさん
性別:女性
年齢:63
プロフィール:現在は夫(62歳)と二人暮らし。まだ会社員として二人とも働いています。
2022年の6月、市民病院から夫に電話がありました。
「弟さんが倒れて市民病院に運ばれてきました。すぐに病院まで来てください」
58歳になる義弟は高校にも行かず遊び放題、女性関係も派手で、夫に「お金を貸してほしい」と無心することも頻繁にありました。
そんなことから夫は義弟を避けるようになり、いつしか疎遠に。
夫と私は結婚して40年ぐらいになりますが、私が義弟と会ったのは数回しかありません。
夫ともしばらく交流がなかったようなのですが、1年ほど前に「お金を貸してほしい」と電話があり、私の知らないところで少額を振り込んであげたようです。
義弟は結婚もしていないので、家族はいません。
一報があってから、私も夫と一緒に病院に行きました。
義弟は、糖尿病で片目が失明状態だったので、仕事中に転んで頭を打って運ばれたようです。
MRI検査の結果では異常はなかったようですが、その後、病院からも連絡がなく、この先いろいろな意味でどうなるのか分からず不安でなりませんでした。
義弟はこれから仕事が継続できるのか...?
会社から辞めてくれと言われるのではないか...?
これから先も入院を繰り返すのではないか...そうなったら誰が面倒を見るのか?
夫が病院の担当医に連絡を取り、症状の詳細を聞いたところ、そろそろ退院はできるとのことですが、糖尿病で網膜剥離を起こしているので、仕事を続けるのは難しいかもしれないと言われました。
義弟が現在の仕事に就いたのは3カ月ほど前で、会社の寮にも入ることができて、労災にも加入していました。
でも貯金はなく、会社の寮から出てしまったら、住む場所もないことが分かりました。
「こちらで何もしてあげなければ、仕事を辞めることになったときにホームレスにでもなってしまうのではないか...」
夫が言ったときに、私はどうしてもっとしっかりできないのかと複雑な気持ちになりました。
「ずっと弟の面倒を見る気はないし、自分たちももう年だから良い方法を考えよう」
夫がそう言ったので、二人で役所に相談しました。
義弟の診断書を持って行き、事情を説明すると、生活保護を申請できると説明され、その方向で進めていくことにしたのです。
さっそく生活保護の基準にあったアパートを探し、夫が契約して、義弟が一人で生活ができるように準備しました。
義弟は月末で会社を辞めることにして、アパートに引っ越しました。
その後、正式に生活保護の申請を行い、一日短時間でもできる仕事を探してもらいました。
「これだけ準備したのだから、もう迷惑をかけないようにしろよ」
夫は58歳の義弟によく言い聞かせたと言っていました。
義弟はけっして悪い人ではないのですが、自分に甘く、生き方が下手なようです。
無理をしないように働いて糖尿病の治療を続けていけば、最低限の生活はできるでしょう。
自分たちは人に迷惑をかけることもなくずっと頑張ってきたのに、義弟を見ていると人生いろいろあるんだなとつくづく感じます。
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