20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
最近は家で過ごす時間が多くなってきたという中道あんさん。かつては休日ともなると、アクティブな時間を過ごしていましたが、今は家で過ごすなにげない瞬間に豊かさを感じられるように。そのきっかけは...
【前回】「小さな幸せ」を感じる50代の日々。「嫌なこと」を1つ手放して、「幸せ感度」を上げよう
会社を辞めフリーランスになってから3年近く。
最近は家で過ごす時間がより多くなってきました。
会社員時代は、休日ともなると京都へ。
神社やカフェ、ショッピングなどに刺激を求めて出かけていました。
それで気持ちをリフレッシュさせ、アクティブな時間こそ豊かさだと思っていました。
けれど、今は家で過ごす何気ない瞬間に、胸の内からじわじわと豊かさを感じられるようになりました。
「家こそ幸せの在処」という感じでしょうか。
「毎日と違うことをする」というのはワクワクしたり心が躍ったり華やかさもあります。
特に旅に出かけると「この上ない至福さ」を感じますが、一方で刺激が強すぎるのか、家に戻るとどっと疲れていたりします。
そして窓辺の緑を眺めては、そこはかとない優しさや豊かさを感じるのです。
これが日常の幸せというものだと思います。
そう感じられるようになったのは、ちょうど2年前にしたリノベーションのおかげかもしれません。
きっかけは体調を崩して、使っていない部屋で寝込んだこと。
しんどいけれど、その部屋で過ごしたことがあまりにも快適で、そのとき自分の部屋作りを決意します。
家じゅうの不用品を処分して、収納の風通しを良くしたら、がぜん住まい作りに目覚めてしまいました。
住まいと心は繋がっているもので、余白ができたことで意欲が生まれました。
57歳の夏のことです。
私の部屋は6畳ほどの広さです。
決して広くはないのですが、いかに快適に暮らせるかを考えてデザインしました。
よく考えてみれば自分の部屋を持ったのは独身のとき以来です。
あの時も、お給料からドレッサーやチェスト、テレビやオーディオなどを買いそろえて
自分だけの空間を作り、食事以外はそこで好きなように過ごしていました。
またあの時のように...。
でも今回はひとり掛けソファとデスクと椅子、飾り棚とシンプルなものです。
狭いからこそすっきりした空間が快適だと思ったからです。
この2年のうちに徐々に家具などをそろえていき、最近やっと自分らしい部屋になってきました。
ここは甘えん坊の愛犬も出入り禁止の私だけの空間です。
日当たりもよくて明るいので、昼間にここで仕事をすると集中できることが分かりました。
遊びごころは飾り棚のスペースだけ。
といっても高価なものは何も置いてなくてメルカリで買った英語の辞書とファッションブックをメインに飾っています。
費用にしたら3000円ほどのものです。
広めのテーブルにポトスをちょこんと置いて、仕事の合間に眺めては目を休めています。
こぢんまりとしたことで、掃除も簡単だし、整える面倒臭さも感じません。
ただ一つ、とっておきのものと言えば、ルームフレグランスです。
家にいる時間が増えるにつれて、「香り」にこだわるようになりました。
ひとりでいると、時には不安になったり落ち込んだりしても、話を聞いてくれる相手はいませんし、相手をみつけては愚痴を吐いていては相手の時間も奪ってしまいます。
そんな軽いネガティブな気持ちをアロマオイルが癒やしてくれます。
だからいつも気持ちよく過ごせるように、大好きなホテルのルームフレグランスを置いています。
ちょっとお高いのですが、ドアを開けた瞬間にグリーンシトラスの香りが漂ってきて安らぎます。
このときばかりは部屋が狭くて良かったと思います。
香りが部屋から漏れないようにドアを開けっぱなしにしなくなりました。
家での時間を見直すことで、お金をかけない豊かさにも気づくことができました。
日常の小さな喜びに感謝をできるようになりますし、同じような毎日の中にも「いいこと」を探すようになっていきます。
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