20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
40代の頃はすべてにおいて全力投球で、疲れ知らずだったという中道あんさん。50代になると体からSOSを感じることがしばしば。疲れてから休めばいい、と思っていましたが...
【前回】冷え、痛み、むくみ...50代になって感じた「体からのSOS」。疲れないための「10個の工夫」
とっておきの豆をミルで挽いて丁寧にコーヒーを淹れる。
お気に入りのカップのどれが今の気分だろうと迷う時間。
ソファに深く腰を下ろして窓辺の木々をぼんやりと眺めるひと時。
観葉植物の葉っぱにスプレーで水を与え愛しむ時間。
愛犬を連れて遠くの公園までいき、落ちていく夕陽の美しさにうっとり。
22時に眠気が襲い、布団にもぐりこんだ瞬間に意識が遠のいていく。
「あぁ、なんか幸せだぁ」と感じてしまいます。
正直、だれもが普通にやっていることで、特別なことは一切ありません。
でもこれが幸せのハードルを下げているという、こと。
自分で仕事をするようになって、時には壁にぶち当たることはありますが、それも自分で解決する喜びを知りました。
自分の才能を生かせる仕事で、好きな人と仕事ができる環境に感謝しています。
以前は「お金をいただくのだから仕事は辛くて当たり前、我慢して耐えるもの」という価値観を持っていました。
それのせいで、初めて正社員になった会社では、人間関係が悪く緊張の続く時間でしたが、仕事というのは自己犠牲のうえに成り立つものだと思って我慢してしまっていました。
その分、プライベートで「小さな幸せを見つける」努力をしました。
そのときに考えた私の幸せは、
「家族を大切にし、日々の暮らしを丁寧にすること」。
それは、この小さな家の中にあると気づくと、すべてに感謝できるようになり、何気ないことに幸せを感じ、幸せのハードルは下がりました。
とはいえ、ストレスを抱えていれば、やがて体にも変調がきます。
慣れない仕事と人間関係に体力も気力も振り絞って働いていたので周りに心配されるほど痩せてしまいました。
定年まで勤めるつもりで入社しましたが、これでは続かないと思い、友人に何度も転職の相談をしました。
1年半ほど勤めたある日、急に発熱して会社を休みました。
その時の上司の対応に、心が爆発しそうなほど怒りを覚えます。
「もう、こんな会社は辞めてやる!」と思いつつも、ここを辞めてしまっては再就職先などないかもしれません。
悔しいけれどこのまま働くしかないのか...。と布団の中でモンモンとしていると、友人から再就職のオファーの電話がかかってきます。
「今すぐ返事を頂戴」というので、その場で転職することに決め、翌日出勤と同時に退職届けを出しました。
上司は「悪かった」と謝ってくれたのですが、覆水盆に返らず、です。
幸せな人生を歩むことはハードルを下げることですぐにでも可能になります。
でも嫌なことを我慢ばかりしていると、その感度は鈍くなります。
気持ちがネガティブに向くと、「どうして私だけが...」と被害者意識をもつようになります。
「もっとこうしてくれればいいのに...」と他責の気持ちになることも。
そうすると「ある」ものに気づかず、「ない」に向いてしまい幸せを感じるアンテナが低くなります。
幸せのハードルを下げる、嫌なことを手放す、この両輪を回していかないと人生の豊かさを感じにくいのではないでしょうか。
嫌なことを1つ手放すと、心に余白が生まれるので、前向きになりやすいです。
するといいことに視点も向きやすくなります。
まずは、小さな嫌なこと1つ手放してみましょう。
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