「何でも突き詰めるのはすごいことだと思います。そう思わせてくれたのは『マヨネーズは神』と豪語する40年来の友人のC君。出会ったときから『マヨラー』だった彼は、出会った頃より落ち着くことなく、『マヨラー』として熟成されていったのです」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
■「マヨネーズは神」というC君の食事が神がかりすぎて...
大学時代の友人C君(61歳)は、マヨネーズが大好きな「マヨラー」です。
マヨラーの中でもいろいろな段階があるようで、野菜一般は言うに及ばず、とんかつもマヨ、焼き魚もマヨ、マヨネーズご飯で食事を済ませられるような人もいるようですが、C君は別格でした。
彼との出会いは、1980年の私の大学入学まで遡ります。
「マヨネーズは好きですか?」
初対面の相手に開口一番こう聞く人は少ないでしょう。
大学で初めて会ったとき、彼の第一声はこれでした。
なんとも印象的な出会いでした。
彼はとても真面目で、講義はいつも最前列でノートを取っていました。
C君の自宅は大学から距離が結構あって毎日片道1時間半をかけて通学、人懐っこい笑顔がチャームポイントで、彼を悪く言う人には会ったことがありません。
彼は毎日弁当持参で、大小のタッパーがバッグに入っていました。
ただし、このタッパーの大きいほうは全てご飯で、いつもべったりとマヨネーズが塗られていました。
「本当は小さいほうはいらないんだけど、おふくろがそれだけじゃあんまりだって」と、照れ笑いしながら、おかずはお情け程度にマヨネーズご飯をかき込んでいました。
「マヨネーズは神だよ!」
そう豪語する彼は、実際、何にでもマヨネーズをかけていました。
野菜類は焼いたものも煮たものも、添えられているのはマヨネーズ。
秋刀魚の塩焼きも、添えられた大根おろしやすだちには目もくれず、マヨネーズをかけて身を崩し、C君流の秋刀魚のマヨネーズ和えの完成です。
外食であっても「マヨラー」は妥協を許しません。
学食のポテトサラダは手作りマヨネーズが自慢の絶品で評判だったのですが...。
「少し物足りないんだよね」
そう言って持参のマヨネーズで独自の味付けをしてしまうほどでした。
そんなC君と、出汁がうまいと評判のラーメン店に行ったときのことです。
一緒に行った友人たちが口々に「うまい、この出汁がさぁ」と舌鼓をうっている中、C君が口を開きました。
「確かにうまいんだけどさ...ちょっと物足りなくない?」
そう言いながら、例のマイマヨネーズを取り出し、丼の縁に絞り出しました。
「おい! 何するんだ、台無しじゃねえか!」
それに気づいた店主に大目玉を食らいましたが、みんなで彼の人となりを力説してことなきを得ました。
共通の友人の結婚式に出席したときは、出てくるフランス料理を一口味わうと、こっそりマヨネーズをつけたC君。
「うーん、やっぱりこのほうがうまいよ」と満足げでした。
漫画:おかまき/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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