離婚して39歳で再就職するも、上司からのセクハラ・パワハラで退職

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ペンネーム:鞠果
性別:女
年齢:52
プロフィール:両親は既に他界し、実家はありません。全力で両親の介護をしてきました。望んだわけではありませんが、現在、ひとり暮らしです。

私が離婚調停に踏み切ったのは39歳の時でした。結婚・出産・育児と専業主婦として暮らしていた私にとって、社会から離れて15年も経っての再就職、母子家庭としての生活は、非常に大きな不安というより、言葉にあらわせないほどの恐怖でした。しかし、その恐怖より、育児放棄・家庭放棄のDV夫と暮らす絶望感を抱えたまま生きていくことは出来ないという気持ちの方が勝っていました。

必死で就職先を探し、幸いにも39歳の私を雇用してくれる会社に出会いました。私は、「人生最大のピンチの中で私を助けてくれた会社だ」と心から感謝し、「会社の業績を上げる事は取りも直さず私の生活を安定させることだ」と思い、入社後は一生懸命、営業成績を上げる努力をしてきました。

当時、その会社の支店長は50歳の男性で、入社当初から親切にしてくださいました。離婚の手続きのアドバイス、子供の学校行事に融通を利かせてくれたり、定時にはぴたっと退社させてくださるなど、多くの配慮をしていただきました。9歳と12歳の子どもにクリスマスプレゼントを用意してくださったときの驚きと感激は、いまでも覚えています。
私の両親は、65歳と67歳で介護が必要でした。両親を頼ることができない私にとって、支店長は本当に頼りになる、家族のような存在でした。
私が40歳になる年の桜の季節、離婚調停が進まず思い悩んでいたときには、仕事中、近くの公園へ桜を見に連れて行って下さいました。公園のベンチに座り「僕は、Sさんのために何をしてあげられるのだろうか...」とつぶやく姿に心がジーンと温かくなりました。涙がこぼれそうになった事を覚えています。

しかし、入社から2~3年が経ち私の生活が落ち着き始めた頃、支店長の態度が徐々に変わってきました。42歳の私の誕生日には、ネックレスと花束をプレゼントされました。高価なプレゼントは丁重にお断りしましたが、その後毎年花束が、贈られてきました。社内で2人きりになると、何度も食事に誘ってくるようになりました。信頼していた上司なので、どう対処していいか悩みましたが、その気はないとはっきりとお断りをしました。
すると、「ここまでよくしてあげたのに、自分の想いを受け止めないのはお前が悪いのだ」と納得できない言葉を投げつけられました。

その後、支店長の立場を利用したパワハラが始まりました。重要な仕事から外す、外出を禁止する、能力を過小評価する、根も葉もない噂を社内に流すなどの状況が2年近く続きました。そんな状況に耐えられず、結局46歳の時退職しました。39歳での再就職がとても厳しかったので、退職して再就職できるのか、高校生と中学生の子供の学費を払いながら生活していけるのかという不安はありましたが、逃げたい一心で退職を決めました。在籍中に仕事を探し、幸運なことに仕事はすぐに見つかりました。

振り返ると、私は当時、支店長の好意に甘えすぎていたのだと、強く反省しています。今は社員15名程の中小企業で働いています。ここでは上司や同僚の好意に甘えず、意見を主張することをせず、必要以上に気に入られないよう、また嫌われないようバランスをとりながら働いています。

社内での人間関係は本当に難しく、退職の理由に「人間関係」を挙げる方は多いのではないかと思います。私はまだまだ忍耐が足りませんが、社会人として苦い経験を積めば積むほど、豊かな人格が形成されるのだと信じて進むだけです。いまの会社では定年まで退職することなく過ごせるよう、人間関係には気を付けたいと思います。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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