<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:出されたものは残さず食べろ。そう躾けられて育った52歳です。
32年前、私が20歳のときの話です。
すでに就職していましたが、実家で暮らしていました。
朝食は取らず、昼食は会社の食堂で取り、夕食は母の作る料理を食べるのが私のルーティンでした。
ただし、母も仕事をしていたので、毎日毎日決まった時間に夕飯の準備をすることはできず、コンビニ弁当やカップラーメンで済ませることもしばしばありました。
それを良しとしなかった母は、どうにか時間を作って手作りの夕飯を食べさせようとしてくれました。
疲れて帰ってきてもご飯を作ってくれた母の姿は、30年経った今でもハッキリと思い出すことができ、母には感謝しかありません。
ある日、仕事から帰った私を大量の「ニラのかき揚げ」が出迎えてくれました。
母が私の大好物を作ってくれていたのです。
ニラとむきエビと玉ねぎで作られたそのかき揚げは、サクサクとしていて油っこくなく、まさしく私の大好きなかき揚げでした。
山のように作られたかき揚げは、瞬く間に私のお腹へ収まっていきました。
忙しいさなかに時間を作って、私の健康を考えてくれた母の想いと、大好物のかき揚げの味が相まって、私はすっかり感激してしまいました。
「こんなおいしいかき揚げ、毎日でも食べたいぐらいだよ」
そう伝えると、「そうか、そうか」と少し涙目で頷く母がいました。
翌日、仕事から帰った私を待っていたのは、大量の「ニラのかき揚げ」でした。
「昨日、あんなにおいしそうに食べてくれたから、また作っちゃった」
笑顔で言う母に「また?」とは言えませんし、大好物のかき揚げです。
その日もペロッとお腹に収めました。
3日目、食卓の上には「ニラのかき揚げ」。
さすがに3日目は飽きてきたな、でも母の気持ちを考えれば、そんなことは口にできない! 多少無理をしている自分を感じつつ、かき揚げを完食する私。
4日目、5日目とかき揚げの日々は続き、とうとう1週間連続で「ニラのかき揚げ」を食することになりました。
さすがに胃もたれしてきた私は「おいしいんだけどさ、さすがに毎日はどうかな」と母に言いました。
その日以降、同じおかずが1週間続くことはなくなりましたが、3日連続は今でもたまにあります。
「夏はやっぱりそうめんだね」と言ったせいで、3日連続でそうめんが出てきたのは2022年の夏です。
人に話すと「3日連続って嫌じゃありません?」と聞かれます。
ですが、1週間連続を過去に体験している私にとっては3日連続など苦にもならないのです。
内心「一日くらいそばの日を入れてくれてもいいんだけどなぁ」と思っていますが...。
きっと、言ったら母はリクエストに応えてくれるのでしょう。
どうやら何歳になっても「親は親。子は子」です。
親は子の、子は親の喜ぶ顔を見たがる気持ちは変わらないようです。
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