<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女性
年齢:51
プロフィール:実母(80歳)息子(13歳)と3人で、ちょっと田舎に住んでいます。
今、住んでいる地域には25年ほど前に引越ししてきて、13年ほど前に同じ地区内で再度引っ越しをしました。
この地域に移ったばかりの10月初旬のことです。
夜に子どもの声が聞こえるので、外を見ると、玄関先で藁の束を持った3~5人の男の子たちが、何か歌のようなものを唱えながら藁の束を叩いていました。
お祭りかと思い、御礼として1000円ほど紙に包んで渡すと、初めとは違う歌を歌いながら、藁の束を叩いて帰っていきました。
いったい何だったんだろうと、後で近所の方に聞いたところ、これは「亥の子参り」と言って豊作を祝ったお祭りなのだそう。
男の子だけがまわる習慣があり、 昔は各地域であったそうですが、段々少なくなっているとの話でした。
全く知らなかったので、びっくりしました。
さらに聞くと、地域によっては御礼のお金はそのまま、その子たちの小遣いになるそうです。
また、チャイムを鳴らして「来ました!」と知らせてはいけないなど、さまざまなルールもあるとのことでした。
その後、毎年この「亥の子参り」の子がやってきたのですが、ある年、玄関を南向きから西向きに変えたところ、その年の子どもたちは、以前の玄関の前で歌のようなものを唱えていていました。
「あ! 間違っている」と思い、急いで「玄関はここじゃないのよ」と窓越しに伝えると、子どもたちは慌てて玄関に向かって走り、唱え直していて、なんともかわいかったです。
そして、13年前に同じ地区内で引っ越しをしました。
そこでも「亥の子参り」はあると思っていたのですが、ここでは行われていません。
その代わりではないのですが、お盆になると江戸時代から続いている市の無形民俗文化財に指定されているお祭りがありました。
この地区独特のお祭りなのだそうです。
地区ごとに9人で編成したグループをつくり、着物に袴、菅笠をかぶり、裸足で鐘や太鼓を持って念仏を唱えながら、お祭りが行われるお寺の石段で登っていくというものでした。
昔は男の子だけの行事でしたが、今は女の子も参加OKになっています。
さらに少子化の影響で、以前は昔から地域に住む家の子どもだけが参加していたようですが、今は余所から引っ越してきた子どもも参加可能。
うちの息子も幼稚園の年長から参加させてもらっています。
ただ、これがちょっと面倒というか戸惑いがあります。
初めて参加する日のこと、実は息子が参加するにあたり、1年前から祭りの幹部の方々が代わる代わる幼稚園に行って、息子の態度や様子を見て、参加させるかどうか検討を重ねたと告げられました。
知らない間にそんな選別を受けていたとは...かなりショックでした。
こんなことを事後報告されたら誰でも驚きますよね?
そして、本番前は5日間ほど夜に念仏や鐘、太鼓の練習をしなければなりません。
本番当日は朝から練習と、禊をして、夕方の本番前の時間に集合場所に行きます。
当日は肉・魚を食べることは禁止です。
さらに、初めて参加した年長のときから、親は送り迎えのみで、息子が一人で参加しなければいけない決まりでした。
そのため、どのようなことをやっているのか、実はあまり分かっていないのです。
私としては、行くたびにおやつやジュースをもらって帰ってくるな...というだけで...。
ただ息子は楽しみにしているようなので、毎回送り出しています。
古い地域には昔からの伝統があるんだなと感心はするのですが、その細かいルールにはいまだ困惑してしまうのでした。
人気記事:「もう触らないで!」認知症の母が生後2カ月の赤ちゃんを落とし...《石塚ワカメ》
人気記事:《漫画》パート先で53歳同僚のいじめのターゲットに!? もう許さない! 立ち向かうと決意した日<前編>
人気記事:《漫画》67歳母がガン闘病中に「マンション買ってん」。完成間近に告げられた余命に涙...<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。