日頃のモヤモヤやイライラ...人生を重ねると、さまざまな心配事が出てきますよね。そこで定期誌『毎日が発見』の「お悩み相談」コーナーから「読者の悩みと専門家のおこたえ」を抜粋してご紹介します。今回は、「弟の妻がお金を返してくれない」というお悩みに、ノンフィクション作家の松原惇子さんがアドバイス。さて、あなたはどう思われますか?
【お悩み】
私と下の弟のお金を上の弟の妻が返してくれません
現在84歳ですが、私には弟が2人おり、上の弟とその妻のことで悩んでおります。
上の弟とその妻は、私のお金と下の弟のお金を私たちが知らないうちに、自分名義の通帳に入れてあるようなのです。
正式な預かり証とは言えないかもしれないが、金額と私の名前と弟の名前が書いてあるものもあると...。
その弟が昨年亡くなったのですが、通帳の中身は全て弟の妻が手続きをして自分の名義にしたようです。
四十九日も過ぎたので、私は弟の妻へ何度も連絡をしているのですが、電話に全く出てくれません。
やっと折り返し電話がきたと思ったら、「私は私のことしか考えられないので、他人のことは考えられない」と言うだけで、どうしようもない状態です。
私と下の弟の金額を合わせますと、最低年金の6年分にあたりますので、きちんと返してほしいです。
静岡県 Hさん(84歳)
【おこたえ】
身内でも、老いてくれば金の亡者になります
誰にも相談できずに眠れぬ夜を過ごしているつらい気持ち、よく分かります。
でも、高齢になるとよく起こる事件でもあります。
私の周りでも、兄弟・姉妹に通帳よこせと言われたとか、旅行中に不動産の名義を書き換えられたとか耳にします。
決めつけるわけではないですが、人は老いてくると金の亡者になりやすい。
特に配偶者がいるとなおさらです。
あなたはひとり暮らしですか?
私もひとり身なので分かるのですが、高齢でひとりの人は、日ごろから気を付けなくてはいけません。
実は、身内にとってあなたはかっこうの標的なのです。
問題が発覚したときに援護射撃してくれる人がいない弱い立場だからです。
それを知ってひどいことをしてくるのです。
もし、お金を取り戻したかったら、ここは弁護士に相談すべきです。
まずは、自治体の無料弁護士相談に行ってみてはどうでしょうか。
そこまでしたくないのなら、お金のことは諦めて、忘れられなくても忘れる努力をすることです。
あなたの心次第だと私は思います。
がんばってください。
●松原惇子さん(ノンフィクション作家)
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