日頃のモヤモヤやイライラ...人生を重ねると、さまざまな心配事が出てきますよね。そこで月刊誌『毎日が発見』の「お悩み相談」コーナーから「読者の悩みと専門家のおこたえ」を抜粋してご紹介します。今回は、「認知症の夫といつか離れてしまうことがとても寂しいです」というお悩みに、夫婦カウンセラーの立木ミサさんが答えます。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年9月号に掲載の情報です。
【お悩み】
認知症の夫といつか離れてしまうことがとても寂しいです
夫の認知症が日に日に進んでおります。
いまは在宅で介護をしており、ときに記憶がつながって、夫婦の会話ができることがありますが、いつか在宅で介護が難しくなることは重々理解しています。
ただ、それを思うととても寂しく、最後まで看たい、という思いが溢れます。
この先どう気持ちを持てば良いか、分かりません。
長崎県 Y・Hさん(74歳)
【おこたえ】
1人で抱えず、夫にとって良いことを選択していってください
なんてすてきなご夫婦なのでしょう。
そして、そう思える人に出会えて一緒に人生を歩んでこられ、うらやましい限りです。
「最後まで看たい」という素晴らしいお気持ちはずっと持ち続けてください。
ただ、それを1人で看たいと思わないで、いろんな人たちの手や知恵や力を借りてください。
なぜならそのほうが夫にとって最善の介護になると思うからです。
自分が全てを背負うのが、最後まで看ることとイコールではないはずです。
夫がどうやったら楽しく過ごせるか、そのことに注力してください。
いまできるベストを尽くしましょう。
それが在宅介護にあるうちはご自身の手にあり、良いと思うのですが、認知症という病が進行すれば、状況は変化していきます。
そのとき「夫が少しでも楽しく過ごせる選択はどれだろう」と考えたら、きっと答えが出ると思います。
在宅介護ができなくなったら、と寂しくなるのはもっともなことです。
いまの夫に対するそのお気持ちを、周りの方々にたくさんお話ししてください。
1人で抱えないようにすることも大事です。
きっと同じ思いをしている方や経験した方と共感ができるはずで、そのことがあなたのお気持ちのケアになると思います。
●立木ミサさん(夫婦カウンセラー)
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