「世の中って狭いですよね。これは、10年前に働いていたパート先での出来事です。私に意地悪な先輩がいたのですが、私の夫の職業を告げた途端、態度がガラリと変わったんです。『え、うちの息子もよ!』そこにはびっくりするような偶然があって...」

「偶然」が発覚して以来、笑顔の先輩に苦笑

「あなた土日は出られないの? 私が休めないじゃない!」

どうやら行きたいライブがあるそうで、休みたいのに代わりの人がいなかったみたいでした。

「すみません...」

「あなたの旦那さん、何の仕事してるのよ! 土日休みとってもらいなさいよ」

「運送業です」

「運送業? うちの息子も運送業だけど、土日休みよ!」

先輩はますますヒートアップしていき、さらには「どこの会社よ!」と会社名まで聞いてきます。

私もだんだん腹が立ってきましたが、興奮している先輩を相手にしても意味ないので、落ち着きながら「○○株式会社です」と言いました。

先輩は眉をひそめ「嘘つくなよ!」と言いそうな顔で私を睨みながら「うちの息子と同じ会社じゃない!」と言ったのですが、その後、ハッと気づいた様子。

睨んでいた目が泳ぎ始めています。

「あれ...あなたの旦那さんなら、うちの息子より年上?」

心の声が言葉に出たかと思うと、今度は口がぽかーんと開いて、「あ!!!!!」と。

顔全体に『やばい!』と出ていました。

「旦那さんいくつ!?」

「37歳です」

「そうよね、○○さん(私)の旦那さんなら息子より年上よね。でも...なんでうちの息子は土日休みなのかしら?」

気まずい顔をしていた先輩は、だんだん泣きだしそうな顔になりました。

先輩も驚いたけど、私もめちゃくちゃ驚いていました。

その日は終了の14時までとっても優しく接してもらい、先輩もでしょうけど、こちらもなんだか気まずかったです。

家に帰った後、先輩の息子が気になったので夫に聞いてみました。

「会社に○○さんて20代の人いる?」

「俺の班で直属の部下だよ。めっちゃかわいがってる奴だけど、どうかした?」

ここで、つい今まで嫌味を言われてきた怒りが出て、夫に告げ口してしまいました。

「いっつも土日出ろっていう意地悪な先輩がいたでしょ? その人の子どもみたい。なんでその子は土日は出勤していないの?」

夫によれば、先輩の息子は会社にいろいろな言い訳をして、休日出勤を断っているそうです。

そして、私の次の出勤日。

先輩に会うと、見たことのない笑顔で私を迎えてくれました。

「いつも旦那さんに息子がお世話になってるみたいで」

人が変わったようにいつも以上に働いて、私の仕事まで手伝ってくれるようになりました。

心の中で「旦那ありがとう!」と叫びましたよ。

夫がその息子さんに会ったら「母が奥さんと同じ職場みたいで...本当にすみません」と気まずそうだったので、まったく知らないふりで接したそうです。

世間は狭すぎて怖いですね。

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