「中学生で白血病を患い25歳の若さで天国へ旅立った幼なじみのA君。お別れに駆けつけた私に、彼の母親から渡された手紙には妹への溢れるばかりの愛情が綴られていて...」

就職し、地元を離れたA君。もう大丈夫だと思っていたのに

数年ぶりに近所のお宅を訪ねて思い出した話です。

そのお宅には2人の兄妹、私の3歳下のA君、5歳下のBちゃんがいました。

父親同士が仕事仲間という関係から家族ぐるみの付き合いで、2人のことは弟妹のように思いながら育ちました。

そのA君が、中学生になって間もなく白血病を患ってしまいました。

当時、私は高校1年生でしたが、先日まで元気で一緒に遊んでいたA君がまさかと強い衝撃を受けました。

治療のために入退院を繰り返すA君の気持ちが少しでも明るくなるようにと思い、入院したときにはできるだけまめにお見舞いに行きました。

学校に戻ったときに使って欲しいと思い、手作りのバッグを渡すと「底が抜けるかもね」と素直にお礼を言わないA君。

手ぶらで行けば「何しに来たの?」と咎めるように笑うA君。

いろいろな彼の笑顔をよく覚えています。

その後、治療の甲斐があり、A君は高校へ進学し、就職しました。

私も就職して地元を離れていたのですが、心のどこかで「もう、大丈夫」と思い込んでいました。

ところが、今から23年前、私が28歳のとき、A君は病状が悪化し25歳の若さで天国に旅立ってしまったのです。

母から連絡を受けたときは頭が真っ白になり、言葉が出ないまま涙だけがこぼれてきました。

もう一緒に笑い合えない現実を受け入れるのは辛かったです。

翌日、仕事を休んでお別れに駆けつけた私に、A君のお母さんが、A君が書いた手紙を手渡してくれました。

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