支配する側が入れ替わる? 「うずら男」の奇行で歪んでいく妻の価値観【著者インタビュー】
家で温めると、食用のものでも孵化することがあるといううずらの卵。著者の前川さなえさんがそこに着想を得て生まれたのが『うずら男〜モラハラかまって夫が人間をやめるまで〜』(KADOKAWA)です。夫は妻を家に縛り付けるため、うずらの卵の世話を命じましたが、妻が卵やひなの世話にかかりきりになると、こんどはうずらに嫉妬するようになります。そして、その異常な行動は妻の価値観も歪めていき...背筋がゾクッとするストーリーの制作秘話を聞きました。
『うずら男〜モラハラかまって夫が人間をやめるまで〜』あらすじ
結婚・出産を経て二児の母となったあすかは、夫・和史の自己中心的な言動に日々悩まされていました。妊娠中の無神経な発言、育児への無関心、そして子どもへの嫉妬やマウントといった和史の態度を見て、あすかはワンオペ育児状態を加速させていきます。
子どもたちが成長して、あすかが外に働きに出たい気持ちを抱いていることに気づいた和史は、そうはさせまいと嫌がらせを思いつきます。スーパーで食用の「うずらの卵」を買ってきてあすかに渡し、それを孵化させるように命じるのでした。
あすかは夫の機嫌を損ねることを恐れ、言われるままにうずらを孵化させます。最初は仕方なくだったものの、ヒナ鳥の世話をするうち、あすかはうずらに愛着が湧いてしまいます。
しかし、和史は自分よりうずらが優先されていることが気に入りません。そして、妻の気をひくためにうずらの餌の小松菜を生のまま食べたり、「自分のほうが上手にできる」とうずらの鳴き声を真似したりなど、奇怪な行動をするようになっていきます。


