なぜ鯵は魚へんに「参」なのか。「鰯」「鯳」...読みにくい水生生物の漢字36選を紹介!
『けんたろ式"見るだけ"ことば雑学辞典 図解とクイズで広がる教養』 (けんたろ/KADOKAWA)第5回【全10回】
日常で何気なく使う言葉も、実は本来の意味とは違う捉え方をされていることがあります。書籍『けんたろ式"見るだけ"ことば雑学辞典 図解とクイズで広がる教養』(KADOKAWA)では、人気インフルエンサーけんたろさんが、そんな意外な言葉の常識やおもしろい雑学を分かりやすく解説。誤解しやすい言葉の本来の意味、知っていると一目置かれる難読漢字、普段目にしているモノの意外な正式名称などの豊富なテーマを、図を使って丁寧に紹介しています。今回はこの本の中から、言葉の知識が楽しく、そして深く広がること間違いなしの豆知識を抜粋して掲載します。
※本記事はけんたろ著の書籍『けんたろ式"見るだけ"ことば雑学辞典 図解とクイズで広がる教養』から一部抜粋・編集しました。
水生生物の難読漢字
お寿司屋さんで湯吞みにびっしり書かれている魚の漢字。なぜ鯵は魚へんに「参」なのか? なぜ鯉は魚へんに「里」なのか? ぜひ読みと併せて、漢字の成り立ちを想像して読んでみてください。
鯵
アジ。漢字の成り立ちには諸説あり、「美味しくて参ってしまう」「アジの旬が3(参)月である」「群れをなすため参集の字から」などの説から「参」の字が使われています。
鮭
サケ。元々は生臭さから「鮏」という漢字でしたが、イメージを良くするために現在の「鮭」の字に変わりました。ちなみに元の漢字は中国ではフグを表す漢字です。
鯉
コイ。鯉の鱗が36枚あることから、36町=1里ということで「里」の漢字が使われています。ちなみに中国ではコイではなくチョウザメの仲間を表す漢字だったそうです。登竜門の語源は、黄河にある登竜門をコイが登り、竜になったことから来ていますが、このコイはチョウザメだったという話です。
鰯
イワシ。傷みやすいという意味と他の魚に食べられるという意味で「弱」の漢字が使われています。イワシという名前も「弱し」から来ているという説もあります。ちなみに「鰮」と書いてもイワシと読みます。
鯛
タイ。「めでたい」という語呂合わせからお祝いの席でよく出されます。そのことから周りに幸せを余すことなく行きわたらせるという意味で「周」の漢字が使われているそうです。
鰻
ウナギ。伸びるや長いという意味を持つ「曼」の漢字がニョロニョロと長い姿の鰻に使われています。ちなみに長く伸びる植物のツルも草かんむりをつけて「蔓」と表します。また「泉海魚」でもウナギです。
鮫
サメ。くねくねとした体形から"交"差するイメージや、"交"尾することから「交」の漢字が使われているという説などがあります。交尾を当たり前と思うかもしれませんが、魚類は通常メスが産んだ卵にオスが精子をかける体外受精です。
鯨
クジラ。「京」の字は数字でも万・億・兆に続く単位を表す言葉で、大きなものを表します。クジラは哺乳類ですが、昔は魚類と考えられており、大きい魚ということでこの漢字となりました。
蟹
カニ。脱皮するという特徴を「バラバラに解ける」というイメージの「解」という漢字で表しています。
鰹
カツオ。カツオ節を想像してもらうとわかりやすいですが、干すと堅いことから「堅」の漢字が使われています。そのため「堅魚」でもカツオと読みます。また「松魚」でもカツオです。
鮪
マグロ。元々はマグロを意味する漢字ではなかったらしく、チョウザメを表す漢字でした。チョウザメが冬眠して春になると"現れる"ことから「有」の漢字が使われています。ちなみに「黒漫魚」や「金鎗魚」などもマグロと読みます。
鰐
ワニ。驚くやガクガクと嚙み合わせるという意味を持つ漢字がつくりとなっています。顎(あご)のへんと鰐のつくりが同じで強靭な顎を持つワニにはピッタリですね。
鯖
サバ。背中が青いことから「青」の字が使われています。「靑」は青の旧字体です。ちなみに「青花魚」と書いてもサバと読みます。
鰈
カレイ。その姿が葉っぱのように平べったいという意味から「枼(葉から草かんむりをとった)」の漢字が使われています。
鮎
アユ。日本書紀に神功皇后が征韓の戦勝を占った時にアユが釣れたと記載があり、そこから「占」の漢字が使われるようになったそうです。ちなみに中国で「鮎」はナマズです。また、「年魚」「香魚」もアユと読みます。
蛸
タコ。蛸は中国ではアシダカグモを表す漢字で、日本では8本の足がクモに似ていることからこの漢字が当てられました。「章魚」もタコと読みます。
秋刀魚
サンマ。秋が旬で刀のような姿だからというそのままの漢字です。
太刀魚
タチウオ。その姿が細長く銀白色をしており、太刀に似ていることからこの漢字が使われています。
鱈
タラ。身が雪のように白いことや冬の時期によく獲れることから「雪」の漢字が使われています。また「大口魚」もタラと読みます。
鰤
ブリ。旧暦の師走(12月)に脂がのり美味しくなることから「師」の漢字が使われています。他にも出世魚で最後の魚であることからという説もあります。
鮃
ヒラメ。カレイ同様、平べったい姿から「平目」という名前になっており、漢字にも「平」の漢字が使われています。「比目魚」と書いてもヒラメと読みます。
鱒
マス。群れを作らず単独で行動することから独立自尊の意味で「尊」の漢字が使われています。ただ中国では中国にしかいないコイ科の淡水魚を意味します。
鱚
キス。これは単純にきすの「き」と読む漢字でめでたい「喜」の漢字が選ばれました。ちなみに「鼠頭魚」もキスと読みます。
間八
カンパチ。目の上の部分(眉間あたり)に漢数字の「八」に見える黒い模様が見えることからこの漢字が使われています。
河豚
フグ。お腹を膨らませる様子が豚に似ていることから「河の豚」と書きます。魚へんに「复」と書いてもフグです。
海豚
イルカ。中国ではイルカの顔が豚に似ているということで「海の豚」と書きます。
烏賊
イカ。海面に浮いているのを烏が見て死んでいると思い、食べようとしたら逆に食べられてしまったという話からこのような漢字になったという説があります。
海星
ヒトデ。5本の腕が伸びる姿を星形と捉えて「海の星」と書きます。ちなみに5本の腕が人の手に見えることから「ひとで(=人手)」と呼ばれるようになりました。
海月
クラゲが海中で漂う姿が海に映る月に見えることから「海の月」と書きます。「水母」や「水月」もクラゲと読みます。
鰊
ニシン。その卵は数の子で縁起のよいものとされています。一方で端午の節句に用いられる楝(おうち)(=センダンの別名)も縁起物であるため同じ漢字である「柬」が使われるようになりました。ちなみに「鯡」でもニシンと読みます。
鱧
ハモ。卵が多い・生命力が強い・料理法が豊富など「豊」を使う理由は諸説あるようです。中国では元々ライギョを表す漢字でした。
鮟鱇
アンコウ。その音から「安(アン)」と「康(コウ)」の字が当てられています。「安」の字には伏すという意味もあり、海底にいる鮟鱇にはピッタリの漢字。
鮒
フナ。くっつくように並んで泳いでいる様子や水草に卵が並んでくっついているなどの理由から「付」の漢字が使われているようです。
鮗
コノシロ。酢漬けにしておせち料理として食べられたことから「冬」の漢字が使われています。しかし旬は秋の魚です。また狐の好物でお稲荷様に供える風習があったことから、元々は「鰶」の漢字が使われていました。
鰰
ハタハタ。魚へんに「神」と書くハタハタ。ハタハタは深海に棲んでいますが、日本海側で雷が鳴る時期になると産卵のために浅瀬にやってくるためよく獲れます。元々雷は神の技として「神鳴り」と呼ばれていたので「神」の漢字が使われています。魚へんに「雷」でもハタハタです。
鯳
スケトウダラ。深海に棲むことから「底」の漢字が使われています。また鮭に似た鱈ということで「サケのタラ→スケトウダラ」になり「介党鱈」とも書きます。この卵巣を用いて作られるのが明太子です。


