男性ホルモン「テストステロン」は男女両方の元気の源。あなたのテストステロン値がわかる「体の部位」
【本作を第1回から読む】性欲減退でセックスレス、喧嘩で包丁が...女性50代前後、男性60代以降は、更年期障害の疑いも
『性ホルモンで乗り越える男と女の更年期 知っておきたい驚異のテストステロンパワー』 (関口由紀/産業編集センター)第3回【全5回】
年齢とともにコントロールできない不調に陥りはじめたら更年期かも? 「女性医療クリニックLUNAグループ」理事長の関口由紀さんは、減少すると更年期症状を引き起こすと言われる男性ホルモン「テストステロン」に注目。『性ホルモンで乗り越える男と女の更年期 知っておきたい驚異のテストステロンパワー』は、生きる活力ともなる「テストステロン」の知られざる可能性を詳しく解説した1冊。女性も男性も、更年期を乗り越えて、元気に生きるヒントが満載です!
※本記事は関口由紀著の書籍『性ホルモンで乗り越える男と女の更年期 知っておきたい驚異のテストステロンパワー』(産業編集センター)から一部抜粋・編集しました。
テストステロンっていったい何?
これまでに頻出している「テストステロン」というワードですが、ここで改めて説明しておきましょう。テストステロンは体内にある強力な男性ホルモンです。
テストステロンは、男性の体では「男らしさ」を象徴するものをつくる働きがあります。たとえば筋肉。個人差はありますが、肩幅を広くしたり、胸板を厚くしたり、太ももを太くしたりと、いわゆる「たくましい体」をつくります。ヒゲが生えたり、毛深かったりするのも、テストステロンの働きです。思春期の男の子の「声変わり」もそう。
また、「男は血の気が多い」と言われますが、実際に赤血球の数が、女性よりも10%ほど多いというのはご存じでしょうか。これも、テストステロンの影響によるものです。
赤血球は、体内で酸素を運ぶ役割を担っています。よって、赤血球が多いと体のすみずみまで酸素が行きわたるので、運動能力が高くなります。「血の気の多い」はずの男性でも、高齢になってくると貧血を起こしやすくなるのは、テストステロンが減ってきたことで、赤血球の数が少なくなっているからです。このようにテストステロンは、男の姿かたちをつくるだけでなく、毎日の生活を元気に過ごすためにも、なくてはならないものなのです。
卵巣から分泌されるテストステロン
卵巣でテストステロンを原料に女性ホルモンはつくり変えられていますが、脂肪でもその作業は行われています。そのため、ふくよかな男性は、脂肪でテストステロンがどんどん女性ホルモンに変換されているので、女性っぽくなって、おばさんみたいなおじさんになっていきます。
じゃあお相撲さんはどうなの? と疑問に思うかもしれませんが、お相撲さんは筋肉量も高いのでテストステロン値も高いスーパーな方です。
とにかくテストステロンは、男女問わず人間の元気の源。車のエンジンオイルのようなものなので、欠乏してくると、スピードは出ないし、なんとか走っていても、悪天候やデコボコ道ではダメージを受けやすい。事故も起こしかねません。どんなに磨き上げた車体にパワフルなエンジンが搭載されていても、肝心のエンジンオイルがなければ、快適なドライブはできず、いずれ停まってしまうでしょう。
人差し指でわかる! あなたのテストステロン値
占い師ではありませんが、指をみればその人のテストステロン値の目安がわかる、という学説をご存知でしょうか。見きわめるポイントは、「人差し指」と「薬指」の長さで、これを見ることで、生まれつきテストステロンが多い人なのか少ない人なのか、医学的にある程度推測できるのです。
人間は、母親の胎内にいるときに性別が決まります。最初は誰しも女性の形。妊娠3カ月ごろ胎内で「テストステロンシャワー」を浴びることによって、「男性」につくりかえられていくのです。アダムとイブの神話では、男性の肋骨から女性がつくられますが、実際はその反対。
テストステロンのシャワーとは、男子の胎児が自らの小さな睾丸で作り出すテストステロンと、母親が副腎と卵巣で作っているテストステロンがプラスされてふりかかります。そのため、睾丸のない女子の胎児もシャワーを浴びています。この「テストステロンシャワー」の浴び具合が、指に現れています。
ご自分の指を伸ばして「人差し指(2D)」と「薬指(4D)」を見てください。「人差し指が薬指より短い」という人は「テストステロンシャワー」をたくさん浴びた人。つまりテストステロンが高い。その逆で、「薬指より人差し指が長い」という人は、「テストステロンシャワー」をそれほど浴びなかった人で、テストステロンは低い傾向があります。
このことを証明する、面白い調査があります。ある研究者が、世界経済の中枢ともいえる「ロンドン証券取引所」の証券マンの指の長さを調査したところ、より多くの利益を出している成績のよい証券マンは薬指が長く、利益が少ない成績の悪い証券マンは人差し指が長かったのです。2008年に発表された公式なデータで、国際的にも話題となりました。
またサッカーのナショナルチームの選手など、秀でたアスリートは、やはり一様に薬指が長く、人差し指が短いという報告もあります。男性ならではのアグレッシブさや、冒険心は、テストステロンによる影響が強いです。またが「やる気」や「積極性」を生み出す、脳の「側坐核」や「扁桃体」といった器官を男性ホルモンが活性化させることも解明されているので、指の長さと男らしさでつじつまが合っていると考えられます。
女性についても同じで、3歳の女の子を調査した結果では、母親の羊水中の男性ホルモン値が高かった子ほど、積極的で行動的な性格が認められ、やはり薬指が長く、人差し指が短い傾向があったのです。逆に、羊水中の男性ホルモン値が低かった子は、優しくおしとやかで、言葉を覚えるのが早く、おしゃべりも得意という結果が出ました。もちろん、薬指は短く、人差し指は長かったということです。
ご自身やパートナーの指はいかがでしょうか? 一見、おとなしそうな女性でも、薬指が人差し指より長かったら、実は気が強い性格なのかもしれません。私の周りの女性の友人をチラ見すると、人指し指が薬指より短い人はテストステロン値が高いのでアクティブです。私が人事部長なら、人差し指が薬指より長い人を総務に、人指し指が短い人は営業に配置するでしょう。
もちろん、生後の生活環境や教育も男らしさには関わってきますが、生前から男女の方向性を決めるのにもテストステロンが大きく関与しているのは間違いなさそうです。
そんなテストステロンも、年を重ねると共に減っていき、強いストレスがかかると年齢に関係なく激減します。糖尿病やがんなどの病気や抗がん剤や抗うつ剤での治療も、テストステロンを減らす原因になります。
繰り返しになりますが、たとえるなら、テストステロンは車のエンジンオイルのようなもの。欠乏してくると、スピードは出ないし、なんとか走っていても、悪天候やデコボコ道ではダメージを受けやすく、事故を起こしかねません。どんなに磨き上げた車体にパワフルなエンジンがあっても、肝心のエンジンオイルがなければ、快適なドライブはできず、いずれ止まってしまうでしょう。これは、中高年以降の男女共にいえることです!
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
関口由紀
『女性医療クリニックLUNAグループ』理事長。医学博士、経営学修士(MBA)、日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医、日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、日本性機能学会専門医、日本東洋医学会専門医、横浜市立大学医学部客員教授、女性総合ヘルスケアサイト・フェムゾーンラボ社長、日本フェムテック協会代表理事。メディア出演多数。『「トイレが近い」人のお助けBOOK』(主婦の友社)、『女性のからだの不調の治し方』(徳間書店)、『セックスにさよならは言わないで:悩みをなくす膣ケアの手引き』(径書房)など著書多数。

