600万円の自分磨き 5月某日
さて、ここからが問題だ。学部は4年、修士は2年、博士は3~5年。
最短で卒業できても、学費その他もろもろ込みで約600万円かかってしまう。
自分磨き代としては、あまりにも高すぎる。ちょっとそこらのカルチャースクールに行く感覚ではないし、博士号を取得したからといって確実に将来の稼ぎにつながるものではない。
もちろん、合格しなくちゃ何もはじまらないけど、夢に向かって歩みだすって時点で、夫の許可を得るべきだ。
この時点ですでに5月。もし来年から東大生になりたいのなら、もう時間がない!
その日、夫が帰宅してすぐさま私のこの「ナイスアイデア」を伝えることにした。
扉を開けて、玄関に入ってきた瞬間、すぐに言った。