激しい呼び鳴き、大切な書類をかじられちゃった...鳥さんの「困った行動」への対処法/トリ扱い説明書

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寄崎まりを先生のエッセイ 「様子がいつもと違う場合は治療が必要な可能性も」

原因がなくなっても習慣化する可能性がある毛引き

毛引き(自分で羽を抜く)や羽う咬こう(自分の羽を咬む)は、生理的(抱卵時に腹部の羽を抜くなど)、皮膚炎、神経炎、腫瘍、寄生虫、体の病気や外傷による痛みや不快感、ホルモン失調、栄養不足、精神的なストレスや退屈など、様々な原因が考えられます。

一旦毛引きを始めてしまうと、原因となる事柄がなくなってからも習慣化して続けてしまう場合が多々あります。

動物病院では毛引きが、治療の必要がある病気により引き起こされているのかを判断し、その病気に対して治療を行います。

いわゆる「病気」が原因でない場合は、フォージングなどを行いながら経過を観察します。

羽をいじっているだけであれば、鳥さんの性格にもよりますが、必ずしもエリザベスカラーは装着しません。

一方、自咬(自分の体を自分で傷つける)の場合、毛引きと同じような原因が考えられます。

しかし自咬の場合は、皮膚の傷から感染を起こしたり、大きい血管を傷つけて大出血を起こし、最悪の場合は命を落としてしまう可能性もあるため、原因である病気と傷の治療を行うとともに、エリザベスカラーを装着して傷口にクチバシが届かないようにします。

環境の変化に戸惑う鳥さんの気持ちを考慮してあげて

昨今は鳥さんの飼育環境が大きく変わりました。

会社に出勤していたのに、突然リモートワークとなった飼い主さんも多いことでしょう。

日中家にいないはずの飼い主さんがいる。

しかし、家にいる時はいつも自分にかまってくれていたはずなのに、パソコンをずっと触っていて一向に相手をしてくれない。

そのため毛引きや呼び鳴きがひどくなってしまい、病院に連れてこられた子もいました。

また、近年ではだんだんリモートワークが減って、以前のように会社へ出勤しなければならない飼い主さんもいるでしょう。

鳥さんはこのような環境の変化に戸惑っているようですが、私たちがコントロールできない環境の変化は仕方のないことです。

できるだけ鳥さんの気持ちを考慮して、必要な治療があればきちんと行い対処することが大切です。

鳥さんにお薬を飲ませる方法

もしも病気になった場合、おうちでお薬を飲ませなくてはなりません。

お薬のあげ方は、大きく分けて2つあります。

鳥さんを保定しクチバシに薬を垂らして飲ませる方法と、飲み水に薬を混ぜてケージ内に置く方法です。

薬の種類や鳥さんの性格、飼い主さんのライフスタイルにより、どちらの方法が良いか決めます。

【鳥さんを保定して薬を飲ませる場合】
長所
・投与量が正確
・飲み水に味がつかない

短所
・保定が必要
・失敗すると投与量が不正確に
・誤嚥に注意が必要

親指と中指でほっぺの下をはさみ、人差し指は頭に添わせます。
胸を押さえると呼吸ができなくなるため、注意が必要です。
※難しい場合はハンカチで包むと良いでしょう。

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薬は鳥さんを横にして、クチバシの付け根に垂らしましょう。
手を離したら薬を吐き出す子もいるので、飲むまで手を離さないように。
※咳をする、呼吸が異常などの場合は、すぐ離してください。

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【飲み水に薬を混ぜてケージ内に置く場合】

長所
・保定の必要がない

短所
・薬の味によっては水を飲まなくなる
・飲水量により投与量が不正確に
・野菜の給餌や水浴びの中断が必要

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※本記事は鳥野ニーナ:著、寄崎まりを:監修の書籍『トリ扱い説明書』から一部抜粋・編集しました。

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