NHK・Eテレの教育番組や日本テレビ系列の人生相談番組などに出演し、15年間で約7万人に「相手も自分も大切にするコミュニケーション」を伝えてきたコミュニケーションと心の専門家・吉井奈々さん。そんな吉井さんによる、若者の心や人間関係の悩みを解決する一冊が『未熟なまま輝く キミへ伝えたい 自分を大切にする生き方・考え方』(KADOKAWA)です。「みんなと仲良くできなくていい」「自分の好きは自分で守る」「学校や会社は電車の中だと思ってもいい」「理解してもらえない=愛されてないではない」...心がラクになるヒントが満載です。今回は本書の中から、中学生~大学生の方はもちろん、子育てに悩む保護者の方、人間関係の悩みをお持ちの方にもおすすめしたい、「自分を大切にする方法」を抜粋してお届けします。
※※本記事は吉井奈々(著)、真白 ばに (著, イラスト)の書籍『未熟なまま輝く キミへ伝えたい 自分を大切にする生き方・考え方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】急に冷たくなり、距離を感じるようになった友人。自分を守るために、どう考える?
近すぎず遠すぎず
人間関係の距離感は近すぎても遠すぎてもトラブルになりやすいんです。
近すぎると、独占的・依存的、支配的、盲目的、自己中心的になってしまったりします。
相手のことを全部知っておきたい、私のことを全部知って欲しい【独占的・依存的】
私の言ったことをやって欲しい【支配的】
理性を失って、適切な判断ができず従う、従わせる【盲目的】
周りの迷惑を考えず自分中心に物事を考える【自己中心的】
実は家族がコレに当てはまりやすいんです。
親子なんだから、夫婦なんだから、兄弟なんだから、というように相手のことを自分のことのように管理したくなる、自分に都合良く動いてもらいたくなるという「コントロール癖」が発動します。
友達なんだから困っているときは話をいつでも聞いてくれるのが当たり前、自分を一番に考えてくれるのが当たり前、みたいなのも同じ現象です。
そうすると人間関係は崩れていき人が離れていきます。
反対に人との距離感が遠すぎると、人間不信・猜疑心・警戒心、孤立・孤独、劣等感がトラブルの元になります。
他人を信じられない、期待もしない、どうせ裏切られる、利用される、という【人間不信・猜疑心・警戒心】
私は誰にも必要とされないという【孤立・孤独】
自己肯定感も自己重要感も下がり、周りの人との比較からの【劣等感】
人と関わる接点を作りにくくなり、人ではなくアルコールやギャンブル等の依存症になりやすくなったり、心の隙間を狙って優しい言葉で近寄ってくるドラッグや詐欺、危険な甘い誘惑に負けたりして人生が沈んでしまうこともあります。
このように、極端に距離感が近すぎてもトラブルになり、極端に距離感が遠すぎてもトラブルになります。
そして残念なことに、今日からすぐに距離感のバランスをとれるようになる魔法はありません。
人間関係の悩みはすべての人に死ぬまで伴います。
だからこそ、焦らないで、ゆっくりバランスを整える心掛けだけできていればOKです。
「今〇〇さんとギクシャクしているのは距離感が近すぎるからかも。ちょっと〇〇さんに依存が強すぎるかも」などと思えるだけで花マルです。
他の友達や他の環境にも目を向けてみましょう。