バスルームに求めるものといえば、清潔さはもちろん、リラックスできる空間という人も多いことでしょう。最近では、浴槽や浴室装備などのバリエーションも豊富で、好みに応じて選ぶことも可能です。この夏、TOTO株式会社では、バスルーム「シンラ」を5年ぶりにリニューアル。その魅力を探るべく、企画・開発を手がけた大庭崇嗣さんと福田祐子さんにお話を伺いました。
浴槽、照明、清掃性。こだわりの浴室が登場
「開発にあたり重視したのは、バスルームでの過ごし方です」と、大庭さん。新しくなったシンラは、従来の心地良さだけでなく、リラックス・リフレッシュを実現する工夫が多彩に施されています。
まずは、大学との共同研究によって生まれたファーストクラス浴槽。人間工学を基に考えられた浴槽で、体を支える点と接触する面積を増やすことで、安定した姿勢を保てる形状が特徴です。実際に浴槽に入り座ってみると、背中へのフィット感だけでなく、ヘッドレストが首周りに程よくなじんで頭と首を支えてくれるため、自然と体の力が抜けてくつろげます。
入浴時の姿勢に合わせ、絶妙な角度で体に刺激を与える、肩楽湯と腰楽湯もうれしい機能。「冷えやすい肩周りと疲れがたまりやすい腰周りを、たっぷりの水流で刺激することで、全身が温まり、くつろぎ度も増します」(大庭さん)。肩楽湯と腰楽湯は循環方式のため、浴槽にためる湯を少なめにすれば、節水につながるのもうれしいポイントです。
最大毎分約65ℓの湯を肩から浴びられる肩楽湯と、ランダムな曲線で円を描くように湯が噴出する腰楽湯で、心地良い刺激を。
「浴槽に搭載の肩楽湯、腰楽湯を同時に使えば、半身浴でも十分温まります」と大庭さん(写真左)。
さらに照明にもこだわりが。「一日の光の移ろいを参考に、四つのモードに切り替え可能な調光調色システムを採用しました。時間やその日の気分に合わせて照明を変えれば、よりリラックスしたバスタイムを楽しめます」(大庭さん)。
4モードの調光調色システムで気分に合わせた入浴を落ち着きたいとき、すっきりしたいときなど、気分や時間帯で照明を選べます。間接照明も充実しており、好みで調整ができます
バスルームは、常に清潔であることも重要です。そのため新たに展開されたのが、「きれい除菌水」を使った床ワイパー洗浄です。お風呂上がりにスイッチを押すだけで、見えない汚れや菌を洗い流し、床周りの清潔が長持ちする優れものです。「きれい除菌水は、電気分解によって水から作られるもので、時間がたつと元の水に戻ります。そのため体はもちろん環境にも優しく、安全です。軽くこすれば汚れがスッキリ落ちるほっカラリ床と共に使えば、面倒な床周りの清掃が格段にラクになります」(福田さん)。
床ワイパー洗浄では、スイッチ一つで、ワイパーのように水道水を床に散布。汚れの原因となる角質や皮脂汚れを洗い流した後、きれい除菌水で仕上げます
他にも、バスルームの色や素材を自由に組み合わせたり、浴室や洗面所に暖房器具を設置したりと、快適に過ごせる工夫が多く感じられました。浴室のリフォームをお考えの方は、一案に加えてみてはいかがでしょう。
●発見隊お試しアイテム
シンラDタイプ
1坪サイズ 137万円+税~
ファーストクラス浴槽、肩楽湯、腰楽湯の他、お掃除ラクラクほっカラリ床、暖房換気扇などを装備。床ワイパー洗浄(きれい除菌水)はオプション(6万円+税~)になります。
取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/齋藤ジン