鹿児島と宮崎の県境にある霧島連山・硫黄山が4月に2回にわたって噴火しました。大規模な噴火が確認された桜島をはじめ、死傷者を出した御嶽山や白根山の噴火など、国内の火山活動は近年、活発化しています。日本人の象徴的存在である、あの美しい富士山も活火山。
せまい国土にたくさんの活火山を持つ火山大国・日本に住む私たちは、いざというときのためにしっかりと備えておきたいもの。そこで、防災アイテムの準備をはじめ、日頃から心がけておくべきことなど、火山対策についてまとめてみました。
居住地の危険を把握しておく
日本が火山大国ということは知っているものの、自分の住んでいる地域に、どれくらい活火山があり、どういう危険があるのか熟知している人は少ないのではないでしょうか。
常時観測火山(気象庁サイトより)
活火山とは、過去に噴火した記録のある火山およびこれから噴火する可能性がある火山のことです。活火山のなかでも、気象庁が特に観測を強化している火山のことを常時観測火山と呼んでいますが、これは日本全国各地に存在しています。お住まいの地域に近い活火山は確認できたでしょうか。
また、実際に噴火が起きた際、危険な場所や避難経路・避難場所を地図であらわした「火山ハザードマップ」という地図も確認しておいたほうがいいでしょう。それぞれの市町村、各地域の行政機関が独自に作成したもので、ネット上にも公開されていますから、一度目を通しておくことをお勧めします。
噴火警戒レベル(気象庁サイトより)
さらに、気象庁が指標とする噴火警戒レベルについても、事前チェックは欠かせません。噴火警戒レベルとは、火山が今どういう状態にあるのか、活動の状況を示すものです。危険が及ぶ範囲や必要な防災対策に応じて、レベル1(平常)、レベル2(火口周辺規制)、レベル3(入山規制)、レベル4(避難準備)、レベル5(避難)の5段階に分けられており、レベルごとにどういう行動を起こすべきなのが書かれています。
これらを確認し、危険な場所を把握したうえで、自分や家族がどのように避難すべきかを日頃からシュミレーションしておきましょう。
被害に備えて準備しておきたいもの
実際に火山が噴火し、避難する必要に迫られた場合、安全な場所に移動するまで身を守るための装備は欠かせません。火口からたくさんの噴石が飛んできますから、防災用ヘルメットや防災頭巾をかぶって頭部を保護します。
降り注ぐ火山灰を吸い込むと、息苦しく、せきが止まらない、喉が痛くなるなどの症状を引き起こします。ゴーグルやマスクを装着しましょう。どんなものが飛んでくるかわからないので、極力肌を露出させないよう、長袖長ズボンやレインコートの着用が必要となります。
しばらくは避難を余儀なくされることも考えられますから、事前に次のようなものを準備しておくといいでしょう。
・まとめておいた貴重品(預金通帳・印鑑・現金など)
・毛布や軍手など
・救急箱
・食料品
・ラジオ
・懐中電灯やろうそく、ライター、電池など
・ベビー用品、介護用品など
備えあれば憂いなし。いま一度防災対策を見直してみませんか。
文/本山 ことま