意中の女性の心を射止めるより、自己愛を優先していないか?/大人の男と女のつきあい方

pixta_28324378_S.jpg40歳を過ぎ、しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実。しかし、年齢を重ねても、たとえ結婚していても異性と付き合うことで人間は磨かれる、と著者は考えます。

本書『大人の「男と女」のつきあい方』で、成熟した大人の男と女が品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を学びませんか?

◇◇◇

前の記事「女性がもっとも恐れるのは「男の無関心」である/大人の男と女のつきあい方(2)」はこちら。

 

「いい人」の恋愛がうまくいかない理由

男子たるもの、女性を口説いて断られたら「これからがスタートだ」と心得ておいたほうがいい。
「好きな女性がいるんですが、自分のことをわかってもらえないのでは......」こんなことをいう男性がいるが、愚の骨頂である。地球上の人間の半分は女性である。そのなかからたった一人を選んでアプローチしようというのだから、嫌われたらイヤだとか、断られたらショックだとか、四の五のいうなら男ではないといってもいい。

こういうタイプの男性は、世の中では総じて「やさしい」とか「いい人」などといわれているケースが多い。

たしかにそうなのだが、よく観察してみると、このタイプの多くは人並み外れて「自尊心のようなもの」が強い。「自尊心のようなもの」とカッコつきでいうのは、それがまわりからの評価に裏打ちされたものではなく、独りよがりの自己偏愛に近いものだからである。

その証拠に、ようやく勇気を奮って意中の女性にアプローチしたものの、それが失敗に終わると、手のひらを返したように女性の不誠実さを詰(なじ)りはじめたりする。そして、懸命に自己弁護する。自分ほどの人間を彼女が好きにならないはずがない、と思い込んでいるのだ。要するに自分は間違っていない、間違っているのは彼女のほうだと思いたいだけなのである。

もっといえば、挫折することで自己に対する愛情が揺らいでしまうことが、彼にとっては許せないのだ。ナルシストでもある。だから「自分に魅力がなくて断られた」のではなく「自分の魅力を彼女が理解できなかった」と結論づける。

女性を口説いて断られたらイヤだとか、怖いなどという理由で女性にアプローチできない男性もこれと似たようなものだ。意中の女性の心を射止めて恋愛関係を築きたいという気持ちよりも、自分の内にある自己愛が優先するのだから、相手の女性とて、感覚的にそれを察知する。これではうまくいくわけがない。
いってみれば、自分は心に厚化粧しておきながら、相手にスッピンになれとっているようなものだ。

挫折のショックを回避する最高の方法は、チャレンジしないことである。だが、それでは人生つまらないではないか。

こういう性格は生まれついてのもので、なかなか変えられないものだが、一つだけ方法がある。それはとにかく考えすぎないこと。そして、何回も何回も失敗することである。いい人とか、やさしいなどというまわりの評価はどうでもいい。悪い人、怖い人といわれても、意中の女性の心を射止めるほうが肝心ではないか。

 

若いうちの失恋は買ってでもしておいたほうがいい

厚化粧が好きな人間も一度素顔をさらして恥をかく。二度、三度と恥をかけば慣れてくる。赤面するような最初の屈辱感も、繰り返すうちに次第に和らいでくる。別な言い方をすれば、打たれ強くなるのである。

それとともに「これが現実なのだ」と感じられるようになる。そうなれば「これからがスタートだ」とプラス思考を持てるようにもなる。

下手な鉄砲、数撃ちゃ当たるとまではいわないが、一発撃って外れたからといって、いちいち自分が傷ついていたら体がいくつあっても足りない。女性へのアプローチもそう思ってみればいいではないか。
 
仕事を身につけるために「若いうちの苦労は買ってでもしたほうがいい」とは、よくいわれることだ。
私はその考え方に必ずしも与(くみ)しない。苦労はこちらから買いに行かなくても、誰にでも必ず訪れるものだから、わざわざ求めることはない。ただ、苦労したほうが人間が成長することも確かだ。

だが、ことが男と女の問題になると、「若いうちの失恋は買ってでもしておいたほうがいい」は真理である。
失恋を何度か繰り返しているうちに、女が少しずつわかってくる。女の側からも同じことがいえる。これも男女間における成長の証しである。

そして、男も女も大人になっていくのだ。

 

次の記事「男と女には「知らなくてもいいこと」がある/大人の男と女のつきあい方(4)」はこちら。

川北義則(かわきた・よしのり)
1935年大阪生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を歴任。1977年に退社し、日本クリエート社を設立する。現在、出版プロデューサーとして活躍するとともに、エッセイスト・評論家として、新聞や雑誌などに執筆。講演なども精力的に行なっている。主な著書に『遊びの品格』(KADOKAWA)、『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』『男の品格』『人間関係のしきたり』(以上、PHP研究所)など。

otoko.jpg
『大人の「男と女」のつきあい方』
(川北義則 / KADOKAWA)
「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性と付き合うことによって、人間は磨かれる」というのが著者の考え。しかし、40歳を過ぎてから、 しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実です。 本書は、成熟した大人の男と女が品格を忘れず、愉しくつきあうための知恵を紹介。 いつまでも色気のある男は、仕事も人生もうまくいく!

この記事は書籍『大人の「男と女」のつきあい方』からの抜粋です

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP