今、あなたは「たまった仕事」に苦しめられていませんか? 「たまった仕事」=「仕事の渋滞」は、人の「心」の働きを理解すること、つまり 「心理学」的なアプローチですべて解消できるのです。
書籍『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』で、あなたの「たまった仕事」を一掃し、「仕事の渋滞」を解消して、毎日スッキリ会社に通えるようになりましょう!
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「アーカイブ」の必要性
そもそも「受信トレイ」しかない、などというのはとても無理のある状態ですが、「処理トレイ」を作って、それで〝おしまい〟ではありません。処理した後のことがあるはずです。
それが 「アーカイブ」(保存する場所) ということになります。返信が終わったメールは、「アーカイブ」に移して「処理トレイ」からは見えなくしてしまう必要があります。同じように処理が終わった「タスク」は、「仕事の処理トレイ」から「アーカイブ」に移し、見えなくしてしまう必要があります。
メモも「タスク」も付箋も捨てない
「アーカイブ」は「ゴミ箱」ではありません。「アーカイブ」は「アーカイブ」です。そこには処理されたメールの証拠が残っていて、本来、「いつ」「どのように」処理されたかの記録保管庫として機能しなければいけないところです。
せっかく仕事を終えたというのに、何らかの手違いがあって仕事が終わってないことになってしまったとき、この種の記録がないと窮地に立たされます。「おまえ、本当に仕事をやったのか?」などと理不尽な詰問を受けたとき「ここに、いつ、どのようにやったかの記録があります!」と答えられないと大変です。最悪の場合、同じ仕事を二度、それも不利な立場で期限後にやる羽目になってしまいます。
仕事に必要なリスト作りを、ペンとメモでやればいいという人もいますが、メモをどのように「アーカイブ」するのかは大変難しい問題になるはずです。紙のメモはすぐに大量に残り、しかも乱雑になりやすいものです。時系列で閉じておくのすら、それなりに手間です。
簡単に捨ててしまうと、「やった証拠が残らない」という問題が発生します。また、「アーカイブ」がデジタルの場合には、かならず「検索」ができます。しかし、紙の場合にはそうはいきません。手と目で探さなければなりません。
付箋(ふせん)などは特に問題です。保存にそもそも向いた形態ではないからです。
メールは特に努力しなくてもデジタル形式であるため、こういう問題とは縁がありません。だから仕事をことごとくメールに集めたいという人が多いのでしょう。
「受信トレイ」→「処理トレイ」→「アーカイブ」
いつもきれいに流れるとは限りませんが、ともかくまずは、「受信トレイ」に未処理の案件が自動的に流入し、「処理トレイ」に1日分の案件を移し、「アーカイブ」に処理後の案件をすべて移す、という流れを確立することが、「仕事をためない」ために必要です。
これは原則的な流れにすぎませんが、ただこれだけの形式を整えておくだけでも、滞留から受けるストレスがグッと少なくなる上、わけの分からない探し物で費やされる時間を短縮できます。
ほとんどの人は実際、これをすべて「受信トレイ」でやっています。しかし、そうしてしまうと、そもそも仕事がたまっているのか、それともほとんど片づいているのかの区別すらできなくなってしまうのです。
物理的に、机が「受信トレイ」になっているという人も少なくありません。私の経験上でも、そういったやり方で仕事をしている人はたくさんいました。「アーカイブ」は流れの一番下流であり、終着点なので、メールにせよメモにせよ、とにかくたまっていきます。たまることに価値があるとも言えますが、たまれば探しにくくなるのが当然ですし、物理的なスペースにはそもそも限界があります。
アーカイブに記録がたまるし、ためねばならないということを思えば、仕事の情報はなるべくデジタルにするべきでしょう。
なお、1つ蛇足を述べるなら、「仕事ができる」と言われる人の多くは、この「アーカイブ」からの検索が上手で、かなり以前の案件であっても、検索を駆使して引き出すことができます。
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心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)の他に『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(KADOKAWA)、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)など。また、共著に『iPhone情報整理術』(技術評論社)がある。
『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』
(佐々木正悟/KADOKAWA)
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