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今、あなたは「たまった仕事」に苦しめられていませんか? 「たまった仕事」=「仕事の渋滞」は、人の「心」の働きを理解すること、つまり 「心理学」的なアプローチですべて解消できるのです。
書籍『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』で、あなたの「たまった仕事」を一掃し、「仕事の渋滞」を解消して、毎日スッキリ会社に通えるようになりましょう!
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前の記事「「ロボット」になれば仕事の効率は格段に上がる/仕事の渋滞は「心理学」で解決できる(7)」はこちら。
まずは「受信トレイ」を用意しよう
「受信トレイ」 とは一般に、メールでおなじみのバーチャル・トレイのことです。要するに、最初にメールを受信したら、とりあえずそこに置かれることになる「トレイ」のことです。
メールに「受信トレイ」は当然あるのですが、これを仕事一般に、ことに「滞留しがちな仕事」のすべてに適用しようという話を、まずしたいのです。
たとえば経費精算が滞りがちな人であれば、請求書や領収書、レシートやSuicaの明細書などの「受信トレイ」はありますか?
財布の中と、引き出しや手帳の中を探し集めればきっとだいたいある、というのではよくありません。引き出しなら引き出しでもかまいませんが、「経費精算用の〈受信トレイ〉は1つだけであり、そこになければ他のところに経費精算に関する書類はないし、そこ以外のところを探すのはムダだ」と言い切れるようなところでなければなりません。
デジタルノートであるEvernoteにもできれば「受信トレイ」があったほうがいいでしょう。保存しておきたいPDFファイルなどはまず「受信トレイ」に集めます。これも「一部はメールに添付されているだろうし、他はデスクトップなどにある」というのではいけません。
デジタルファイルをすべて一元化しなければいけないというわけではありませんが、「○○に関するファイルはここにある」と言えるような「受信トレイ」が必要です。
さらに、自分が書いたりもらったりするメモ用の「受信トレイ」も必要です。少なくとも一度、すべての「メモ」はここに集まると言えるような「トレイ」です。それは手帳の中かもしれません。形態は何でもいいのです。すべてをそこに集めることができ、事実、そこに集まっているというような場所です。
「受信トレイ」はすべて把握しておこう
このようにして、メール、リアルな郵便物、メモ、デジタルノート、プロジェクトに関するファイルといった、実に様々な「受信トレイ」が考えられます。これらをまず用意することが、「仕事をためない」ために絶対に必要なことなのです。
「受信トレイ」を用意することによって、「仕事がどのくらいたまっているのか?」をリアルタイムで把握することができるようになる上に、「仕事がたまっていない状態」を定義することができるからです。
「仕事がたまっていない状態」とはすなわち、「受信トレイ」があふれかえっていない状態。 やろうと思えば「1日ですべての受信トレイを空っぽにできる」状態です。
そのような状態を維持できるようになって初めて、自分は仕事をためていないのであり、したがって仕事に関しては心の底から安心していいのだ、という感覚を持つことができるわけです。これはとても気持ちのいい状態です。仕事のストレスの全部とは言いませんが、かなりの部分が、「滞留していて手のつけられていないことに対する心配」からきているのも事実です。
もちろん仕事ですから、何もかもがサクサク終わるわけではありませんし、自分が進めても、関係者が抱えたままダラダラしてしまっている、ということもあるでしょう。しかし少なくとも、自分のところに一度入ってきて、自分が何かしらの処置を施さなければならない仕事だけでも、滞留していないと言えるようにしておくことは大切です。
それができれば大きな信頼を得ることができますし、自分自身を信じることができるようになるのです。
次の記事「「処理トレイ」を用意して仕事中の不安を解消する/仕事の渋滞は「心理学」で解決できる(9)」はこちら。
心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)の他に『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(KADOKAWA)、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)など。また、共著に『iPhone情報整理術』(技術評論社)がある。
『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』
(佐々木正悟/KADOKAWA)
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