「ロボット」になれば仕事の効率は格段に上がる/仕事の渋滞は「心理学」で解決できる(7)

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今、あなたは「たまった仕事」に苦しめられていませんか? 「たまった仕事」=「仕事の渋滞」は、人の「心」の働きを理解すること、つまり 「心理学」的なアプローチですべて解消できるのです。
書籍『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』で、あなたの「たまった仕事」を一掃し、「仕事の渋滞」を解消して、毎日スッキリ会社に通えるようになりましょう!

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繰り返すことで誰でも「達人並み」になる

突然ですが、平均台で逆立ちができますか?
オリンピックの体操の競技などをテレビ中継で見るにつけ、いったいああいうことができる人というのは、どういう体のつくりになっていて、どういうものを食べているんだろう、と思わずにはいられません。そもそも、人間はどうしてああいったことが「できる」と思ったり「やりたい」と感じたりするのでしょうか。

私は、後ろに壁がなければ、畳の上でだって逆立ちなんかする気にはなりませんから、あれができるというイメージがまったくわかないのです。が、よく考えてみると、イメージがまるでわかないことができるようになっているという事実が誰にだってあるはずです。

たとえば私は、泳げるようになるというイメージなど、子どもの頃はもっていませんでした。でも小学校に上がる頃には、泳げるようになっていました。それに、中学1年で授業が始まったばかりの頃には、英語というのは一生自分には向かないと思っていましたが、30代の初めには、アメリカの大学で英語でスピーチをさせられていました。

つまり、人間というのは不思議にも、絶対にできそうにないことでも、きちんとした手順を踏んで毎日のように繰り返し練習すれば、「達人並み」にできるようになるのです。本当に達人になれるかは別にしても、箸(はし)にも棒にもかからなかった自分自身を振り返れば、そう感じられるはずです。

私はこれを可能にする人間の機能を 「ロボット」 と名づけ、あちらこちらでこの話をしています。人は「ロボット」を内部に備えているから、一定の年月をかければ何にだってなれるといっても過言ではないのです。

このことを、直感的には多くの人が知っているからこそ、いろいろな「スクール」や「教習所」が繁栄しているのです。しかし、そうした学校に通わなければ「ロボット」のことをあまりに考慮に入れない人が多すぎます。

 

どんなことでも「ロボット」は育つ

どんな「ロボット」でも育てられます。それは運動技術のようなものばかりではなくて、たとえば「オペラを理解するロボット」のようなものもあります。私など「楽典」を理解したり、音楽の歴史を勉強したりしたわけではなく、ピアノひとつ満足に弾けはしませんが、モーツァルトの「魔笛」をただ30回くらい繰り返し聴いていただけで、それなしで仕事を進められないくらい熱烈なファンになりました。

こんなに役立つものを、仕事に使わない手はないでしょう。

ある意味ではただ繰り返し接するだけです。スマートフォンでもマイクロソフトのオフィスのようなサービスにでも、とにかく繰り返し、一定時間、毎日、同じように接していればそれ専用の「ロボット」を自分の中で発展させられます。それも驚異的なスピードであり得ないくらい発達します。それがどれほどすごいのかといえば、教習所に通いながら路上教習していた頃とくらべて、運転免許証を取得後に毎日運転するとどれほど運転がうまくなるか、ちょっと考えれば十分でしょう。

私はメールチェックからメールに返信を書くまでのような仕事も、「ロボット化」するようにします。毎日、同じ時間帯に、メールを開いてから「流れるように」読み進めて、半分目をつむっていても返事が返せるように、ただただ繰り返すだけです。余計な工夫をしないことが大事です。

わけが分からなくてもオペラをただ黙って聴き続けるようなものです。そんなときに「右耳」だけで聴くだの、作曲家の伝記を読むだのするのは余計です。とにかく何でもいいからただ聴き続ける。するとある日突然「ロボット」のスイッチが入って、何もかもが分かるようになって、すごく楽しい経験になる。

そういうことがメール返信でもかならず起こります。ある日突然、メールチェックから返信までが、自分比では「神業」としか思えない域に達し、途中で手が止まることがなくなるのです。以前だったら、「これ、どう返事したものか......」と悩んでしまうはずの内容でも、頭が悩んでいる間にも手がどんどん返事を書いてくれて、返信ボタンをクリックすればいいようにしてくれます。

「ロボット」的に考えれば、仕事を「ためる」というのはとても損なことなのです。それは「繰り返す機会」を減らすことにしかならないからです。

  

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佐々木正悟(ささき・しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)の他に『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(KADOKAWA)、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)など。また、共著に『iPhone情報整理術』(技術評論社)がある。

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『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』
(佐々木正悟/KADOKAWA)


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この記事は『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』からの抜粋です
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