私の"精一杯"で子育てに挑んでいます/君島十和子「私が決めてきたこと」(18)

towako5.jpg2016年5月の誕生日で50歳を迎えた君島十和子さん。
20代で活躍されていた女優時代からの美しさは、健在! 素敵に歳を重ねておられる女性の代表として、いまでも多くの支持を受けています。

「決断」をテーマにした本書『私が決めてきたこと』から、妻として、母として、働く女性として、がんばる女性を応援する君島十和子さんのメッセージを受け取ってください。

◇◇◇

前の記事「子育ての孤独を感じているママたちへ/君島十和子「私が決めてきたこと」(17)」はこちら。

 

できるときに、できることをしてあげれば、理解してもらえると信じます。

1996年に長女を、2001年に次女を授かった私たち夫婦。

「子どもの教育法について、こだわりはありますか?」と聞かれることがありますが、答えは「NO」です。

主人とは、「あの幼稚園に入れたいね」「そこに入園するためには、こんな準備が教育に必要になるね」という希望をすり合わせた程度。私たちの場合、そこに関するビジョンがよく似ていたので、子どもの進路で揉めることはありませんでした。

進路や進学の意見がどうしても合わなくて......というお話を耳にすることもあるので、この点に関しては本当にラッキーだったようです。

希望の学校にご縁ができるように、体操やお絵描きなどの習い事には連れていきましたが、家ではことさら、特別な教育法をしようと思ったことはありません。

いえ......正直に言うと、試みたことはあるのです。

今も昔も本が大好きな私は、子どもには「読み聞かせ」をして、感性豊かに育てたい。そんなふうに考えていました。

ところが、私は子どもに読み聞かせをする段になると、感情移入をしすぎて、自分が泣いてしまうという少々困ったお母さんでした。長女に寝る前の読み聞かせをしていると、

「そこまで感情移入をされると気になって眠れないから、もうちょっと普通に読んでくれないかな」
とダメ出しをされるほどでした(笑)。

またあるときは、人の話を集中して聞く練習をさせようと、自分で物語をつくってみたこともあります。

「あなたが果物屋さんに行って、ミカン袋とバナナを3本買いました。次にケーキ屋さんに行って、ショートケーキ2つとチョコレートケーキ4つを買いました。次にお買い物したのは......。さあ、あなたが買ったものを、最初から言ってみましょう」と、娘が答えている間に、ウトウト眠ってしまう私。

「理想の母親」とは、まったく言えない存在でした。

 

躾にまつわる後悔

それに、「躾(しつけ)」については、娘たちに必要以上に厳しくしてしまったのではないかという、後悔にも似た思いが拭い切れずにいます。

美容家の道を歩みはじめた私は、雑誌やテレビでお話しさせていただく機会が多くなりました。そのせいで周囲の目を意識しすぎて、「親が仕事を優先していて、躾を疎かにしている」と娘たちが後ろ指を差されることだけはされないようにと、マナーに関しては必要以上に神経質になったのです。

他人様の前で子どもを叱ることはしませんでしたが、レストランなど公共の場で娘の行儀が悪いと、「ちょっと......、お手洗いに行きましょうか」と娘を移動させます。そこで「あなたの今の態度はいけないわね......」と、くどくど叱っていました。

最近、当時のことを思い出した長女に、「あのときのママの目がいちばん怖かった。目だけがキッ......となっていて」とポツンと言われたことがあります。

「無言のうちに、ずいぶん無理を強いていたのかもしれない」
そう思うと、やっぱり胸が痛みます。こんなふうに、私はちっとも完璧な母親ではありません。

娘たちが大きくなった今も、その点は相変わらずです。

 

ちょっとした時間をやりくりして、向き合う

ただ、当時も今も、娘たちのことに関して、私なりに心を注ぐようにはしています。私なりに心を注ぐとは、「ちょっとした時間をやりくりして、その時間でできることを、精一杯してあげる」ということです。

仕事をしている母親である以上、自分の時間のすべてを使って彼女たちの面倒を見ることはできません。それでも、娘たちの髪を結んでいるとき、一生懸命に話を聞くようにしたり、限られた時間と食材を使って、そのときに私につくれる最高のごはんを用意して一緒に食べたり......。

いずれも当たり前のことではあるのですが、その時々で子どもたちと向き合い、私なりにできることを精一杯します。満足させてあげることはできないかもしれませんが、理解はしてもらえるのではないか......と思うのです。

忙しい日々を送っていると、つい忘れそうになりますが、子育ては、その子につき、1回きり。そのことをなるべく思い出し、私なりの〝精一杯"で子育てに挑んでいます。

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君島 十和子(きみじま・とわこ)
高校在学中に「,85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げ、20種類にも及ぶ製品ラインナップを開発。著書に『十和子イズム』(講談社)、『君島十和子の「食べるコスメ」』(小学館)、『十和子塾』『十和子道』(集英社)など多数。

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『私が決めてきたこと』

(君島十和子/KADOKAWA)

夢をあきらめたこと、大変だった子育て。すべてが「いま」につながっている―。 君島十和子さんが50歳になったいま、妻として、母として、働く女性として感じていること。「決断」をテーマにし、女性がしなやかに強く生きるための31の秘訣をまとめた1冊です。

この記事は書籍『私が決めてきたこと』からの抜粋です
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