"ほんのひと手間"で人生の正のスパイラルを回せる!/君島十和子「私が決めてきたこと」(13)

towako3.jpg2016年5月の誕生日で50歳を迎えた君島十和子さん。
20代で活躍されていた女優時代からの美しさは、健在! 素敵に歳を重ねておられる女性の代表として、いまでも多くの支持を受けています。

「決断」をテーマにした本書『私が決めてきたこと』から、妻として、母として、働く女性として、がんばる女性を応援する君島十和子さんのメッセージを受け取ってください。

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柔らかい手をキープします。

出産直後は、もとの体調を取り戻すように気をつけていた私ですが、気づけば育児の忙しさにまぎれて、女性としてキレイでいることに無頓着になっていた時期もありました。

何といっても、はじめての子育てはわからないことが多く不安だらけ。子どもが生まれてからの約3カ月間は、授乳のために夜も数時間ごとに起きるという睡眠不足が続く毎日。慣れない育児の間に家事と並行すると、あとは自分の体を休めるだけで精一杯です。自分の身支度はどうしても二の次になってしまいます。

出産後、2カ月ほど経ったころでしょうか。夜、仕事から帰宅した主人を出迎える際に、玄関の鏡に映った自分の姿を見た私は、思わずギョッとしました。

睡眠不足で潤いを失った肌に、かさかさの唇、無造作に黒ゴムで束ねた髪......。リラックスしきった部屋着姿の私は、自分でも「これはまずいなぁ......」と思うほど、女性としての緊張感を欠いていたのです。

女性を美しくすることが家業の家庭に育った主人は、仕事場で毎日のようにキレイな女性に囲まれています。お客様もスタッフもみな美しい人たちばかり。そんな主人が仕事を終えて自宅にたどり着き、こんなヨレヨレの私を目にしたら、外で目にしてきた女性たちとのギャップに驚くことでしょう。大切な我が子を育てているとはいえ、このままでいいはずがないと思ったのです。

 

「キレイ」を通じて、感謝の気持ちを伝える

印象に強く残ったのが、何かの拍子に私の手を取った主人に言われた
「ずいぶん手が硬くなったね」のひと言でした。

マニキュアはもちろん、ハンドクリームを塗ることさえ忘れていた私の手は、いつの間にか荒れて、ささくれ立ち、触るとゴワゴワしていました。このときの主人の言葉には、「家事も育児も、今がいちばん忙しいときだから、大変だね」というニュアンスが確かに含まれていました。それでも私にしてみたら、やはりドキリとした言葉でした。

「キレイ」って、見た目を装うだけのことじゃない。ニオイや感触、そうしたものも、すべて含めてのキレイです。それに、このときの私が子育てに専念でき、静かに生活できていたのは、仕事での逆風に1人で耐えて、頑張ってくれている主人のおかげでした。守られていることへの感謝――。

「穏やかに日々を過ごせていることの幸せ」その気持ちを、伝えたい。かつてのように、柔らかな心と手のままでいることを伝えられたら......という思いがありました。

 

自分がかけるひと手間で、正のスパイラルを廻す

そう決めた私が、その週からはじめたのが、時間を捻出するために日曜日に食材をまとめ買いすること。そして、毎日、買いものに行かなくても夕飯がつくれる献立を考えることでした。

毎日の掃除やその他の家事は午前中に済ませ、子どもが昼寝をしている間に髪を整え、薄化粧をします。そうして、主人が帰ってくる時間に合わせて身綺麗にしていることにしたのです。

水仕事の最中は必ずゴム手袋をしましたし、他の家事をする間も、薄い綿の手袋を着用するなどして、なるべく手を荒らす機会を減らしました。こまめにハンドクリームを擦り込むことも、もちろん欠かしません。

時には、授乳しながら添い寝をしてしまい、夜中に帰宅した主人が、そっと掛け布団を引き上げてくれるのを何となく感じてはいても、目を開けられないほど体力を使いきっていた日もあります。

薄化粧までしなくても、せめて眉毛を描いて、マスカラを塗るくらいのことだけはしていました。これならたとえ赤ちゃんと一緒に寝てしまったときでも、肌のダメージを最少限に押さえられるのでは?

そんなふうにしていると、夜泣きをする娘を目(ま)の当たりにした主人が、「寝かしつけられるようにドライブに出かけようか?」と誘ってくれることがありました。着飾らなくても身綺麗にしていたからか、嬉しいお誘いが。こうして主人の存在を意識しながら、私は少しずつ、「家でもキレイでいよう」というモチベーションを取り戻していきました。

 

今でも、このときの気持ちに変わりはありません。
メイクをほとんどしない日もありますが、そんな日は、笑顔を添えるように意識しています。

自分が自分のためにする小さなアクション。それで、感謝の気持ちを伝えられて、家族と一緒に過ごす時間を大切にできるという正のスパイラルが廻りはじめるのであれば、やらない手はない。そんなふうに思うのです。

 

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君島 十和子(きみじま・とわこ)
高校在学中に「,85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げ、20種類にも及ぶ製品ラインナップを開発。著書に『十和子イズム』(講談社)、『君島十和子の「食べるコスメ」』(小学館)、『十和子塾』『十和子道』(集英社)など多数。

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『私が決めてきたこと』

(君島十和子/KADOKAWA)

夢をあきらめたこと、大変だった子育て。すべてが「いま」につながっている―。 君島十和子さんが50歳になったいま、妻として、母として、働く女性として感じていること。「決断」をテーマにし、女性がしなやかに強く生きるための31の秘訣をまとめた1冊です。

この記事は書籍『私が決めてきたこと』からの抜粋です

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