2016年5月の誕生日で50歳を迎えた君島十和子さん。
20代で活躍されていた女優時代からの美しさは、健在! 素敵に歳を重ねておられる女性の代表として、いまでも多くの支持を受けています。
「決断」をテーマにした本書『私が決めてきたこと』から、妻として、母として、働く女性として、がんばる女性を応援する君島十和子さんのメッセージを受け取ってください。
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出産後の美容は、はじめるタイミングが命!
はじめたらもちろん続けます。〝美"に一発逆転はありません!
出産直後――。
女性の人生において、最高に幸せな瞬間のうちの一場面ではありますが、女性の身体の特性を考えると、もっとも気をつけたいタイミングともいえます。
妊娠すると、ホルモンの影響で、体に様々な変化が起こります。赤ちゃんが産道を通り抜けられるように骨盤が緩み易くなることも、その影響のひとつ。これは神様が女性にくださった、愛あるギフトだと思います。
ただ、出産を経て広がった骨盤をそのままにしておくと、骨盤が歪み、骨格や体形が崩れることがあります。それが原因で、内臓が圧迫されて、やがては体調も崩してしまいます。
また、妊娠時に蓄えた脂肪を出産後も溜めたままでいると、脂肪の重みが余計に骨盤の歪みを助長することもあります。産後の体調の変化を心配していた私は、出産前から「自分の体を、しっかりもとに戻したい!」と思っていました。
私の場合、体重はさほど苦労せずに落すことができました。母乳指導の助産師さんの「母乳をたくさん出したいなら、お菓子のような糖質過多なものは一切NG。血液のもとになるものを食べること。そして、食べ過ぎには気をつけて」というアドバイスを守っていたところ、脂肪が減っていったのです。むしろ、妊娠前より体重が落ちたくらい。この点はとてもラッキーでした。
ただ、全体的に筋力が落ちたせいでしょうか。二の腕や太もも、腰回りの形が変化して、更にたぷたぷと緩んでいる......。これを解消するために、私は毎晩、お風呂で湯船に浸かりながら、自分で各所を毎日10回ずつ揉もみあげてマッサージをするようにしていました。
小さな達成感を積み重ねる
同時に、妊娠中の女性の皮膚にあらわれやすいストレッチマーク(肉割れ)を防ぐために、薬局で購入した精製されたオリーブオイル(約500円程度)を全身に擦すり込むことも続けていました。
気になっていた骨盤については、次女の出産前に、産後の体形をもとに戻すのを手伝ってくれる「骨盤ガードル」の存在を知り、それを積極的に採り入れたりもしてみました。
こうしたことは、いうなれば、カレンダーに〝よくできましたシール″を貼っていくような、ごくごく小さな達成感を積み重ねる作業です。どれも本当に小さなことですし、結果にも個人差があると思います。
すぐには結果に結びつかなくても、あとでジワジワと効いてくるはず!そう信じて続けたひとつひとつの積み重ねが、ありがたいことに「奇跡の50歳」と言っていただけるような(笑)、現在の私につながっているのかな、と思います。
このときに自分の体と真剣に向き合った経験が、美容家である、今の私のベースとなっています。
無理せず、「ちょっとずつ」を意識する
とはいえ、「今日は疲れたから、マッサージなんてしたくない......」そう思う日も、もちろんあります。「でも......面倒だけど、ここでやらないと、昨日までの努力は何だったの?」同時に、そんなふうにも思うのです。
これまでの努力を無駄にしたくないから、10回やるべきところを、せめて8回。いや、5回でいいからやる。三日坊主の罪悪感に苛(さいな)まれるより、ずっと気持ちがよいのです。
そんなふうに、重い手を持ち上げてマッサージをはじめると、「何だ、できるじゃないの。それなら、あと3回はやろうかな」という気に自然となってきます。無理のないところから、「ちょっとずつ」を意識する。これが、毎日続けるためのポイントだと思います。
"美"は毎日の積み重ね。
"美"に一発逆転はありません。
あとで「しまった!あのとき、ああしておけば......」とならないように、50歳を迎えた今日も、「ちょっとずつ」を続けています。
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君島 十和子(きみじま・とわこ)
高校在学中に「,85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げ、20種類にも及ぶ製品ラインナップを開発。著書に『十和子イズム』(講談社)、『君島十和子の「食べるコスメ」』(小学館)、『十和子塾』『十和子道』(集英社)など多数。
『私が決めてきたこと』
(君島十和子/KADOKAWA)夢をあきらめたこと、大変だった子育て。すべてが「いま」につながっている―。 君島十和子さんが50歳になったいま、妻として、母として、働く女性として感じていること。「決断」をテーマにし、女性がしなやかに強く生きるための31の秘訣をまとめた1冊です。