誰のためにキレイにするのか/君島十和子「私が決めてきたこと」(2)

誰のためにキレイにするのか/君島十和子「私が決めてきたこと」(2) towako4.jpg2016年5月の誕生日で50歳を迎えた君島十和子さん。
20代で活躍されていた女優時代からの美しさは、健在! 素敵に歳を重ねておられる女性の代表として、いまでも多くの支持を受けています。

「決断」をテーマにした本書『私が決めてきたこと』から、妻として、母として、働く女性として、がんばる女性を応援する君島十和子さんのメッセージを受け取ってください。

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前の記事「50歳の誕生日を迎えて気づいたこと/君島十和子「私が決めてきたこと」(1)」はこちら。

 

キレイはコミュニケーションの上に成り立つもの。
その場にいるすべての人が、心地よくなれるキレイを目指します。

これまで、「キレイ」に関わる仕事をしてきた私ですが、その間、常に心がけてきたことがあります。キレイとは、独りよがりにならないということです。

キレイを目指すとき、2つの方向が考えられると思います。
ひとつは、自分がイメージする、自分がなりたいキレイ。自分が自分を最もキレイと感じるメイクや髪形、服や靴、香りなどを身にまとっている状態です。

もうひとつは、身近な人が、自分に対して感じてくれるキレイ。家族であったり、会社のスタッフであったり、その日にはじめて会う人であったり。時間を共有する人たちが、「あっ、キレイ」と感じてくれるかどうか。キレイを発信するときは、この2つが重なっていることが、とても重要だと思います。

例えば、撮影用の華やかなヘアメイクをしたままの姿で、何の手直しもせずに娘たちの学校行事に参加したら、明らかにその場にそぐわないでしょう。娘たちはギョッとするかもしれませんし、恥ずかしいとすら感じるかもしれません。

あるいは、ちょっと散歩に主人と出かけるとき、あれやこれやと身支度に時間をかけて待たせるくらいなら、UVケアをして眉とリップを整えただけでも、5分以内に出発できたほうがずっと気分がよいに違いありません。

こんなふうに、自分がよくても、周りの人たちが好ましくないと感じたら、その上になり立っているキレイは、NGだと思っています。「自分だけが満足」というのは、ちょっと違うなと思うのです。

 
「誰のためにキレイにするのか」を意識する

キレイは自分1人のものではない。見てくれる人のものでもあり、コミュニケーションツールでもある。

だから、相手やその場所に合わせたキレイがいちばんですし、キレイを押しつけて、他人を不快にさせてはいけないと思ってます。身支度する前に出かける時間を確認して、それまでの間にできる範囲にとどめたり、装う目的や場所をしっかりと把握することが大切なのです。そうしたことへの気遣いが、キレイのベースには必要です。

 

キレイは見た目だけのことだけではない。
それにまつわる心意気も含めてキレイでなければ。

美容にまつわる決断をするときは、自分に求められているキレイを見極めて、「誰のためにキレイにするのか」を常に意識しています。

 

次の記事「「キレイ」の基準は時代によって変わります/君島十和子「私が決めてきたこと」(3)」はこちら。

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君島 十和子(きみじま・とわこ)
高校在学中に「,85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げ、20種類にも及ぶ製品ラインナップを開発。著書に『十和子イズム』(講談社)、『君島十和子の「食べるコスメ」』(小学館)、『十和子塾』『十和子道』(集英社)など多数。

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『私が決めてきたこと』

(君島十和子/KADOKAWA)

夢をあきらめたこと、大変だった子育て。すべてが「いま」につながっている―。 君島十和子さんが50歳になったいま、妻として、母として、働く女性として感じていること。「決断」をテーマにし、女性がしなやかに強く生きるための31の秘訣をまとめた1冊です。

 
この記事は書籍『私が決めてきたこと』からの抜粋です

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