50歳の誕生日を迎えて気づいたこと/君島十和子『私が決めてきたこと』(1)

50歳の誕生日を迎えて気づいたこと/君島十和子『私が決めてきたこと』(1) 714C9vjolGL1111.jpg

2016年5月の誕生日で50歳を迎えた君島十和子さん。
20代で活躍されていた女優時代からの美しさは、健在! 素敵に歳を重ねておられる女性の代表として、いまでも多くの支持を受けています。

「決断」をテーマにした本書『私が決めてきたこと』から、妻として、母として、働く女性として、がんばる女性を応援する君島十和子さんのメッセージを受け取ってください。

◇◇◇

未来を決めるのは、今日する決断。
前向きな決断を積み重ねることで、すべてをプラスに変えられると信じます。

先日、50歳の誕生日を迎えて、気がついたことがあります。
いつの間にか「せっかち」になっている自分がいるということです。

「なぜ歳を重ねると、人はせっかちになるのだろう」少し前まで、そんなふうに考えていました。

でも、実際に自分がなってみてわかったのは、50 歳というのは「人生の残り時間」について意識せざるをえない年齢だということ。人生のリミットが見えてくるから、悩んだり迷ったりすることに多くの時間をかけるのはもったいない! さらには、この先はできるだけ遠回りせずに、自分が目指す場所にたどり着きたい! そんな思いが、私をいつも駆り立てている。

50歳とは、そういうことを意識しはじめるタイミングでした。

自分の残り時間を意識しながら、できるだけ悔いを残さないように生きたい。
そう考えたときに、改めて大切にしたいと思ったのが「決断」です。


今日は何を食べる?
どこへ行って、誰に会う?
どの化粧品を、どんなふうに使う?
仕事のスタッフたちと、乗り越えなければいけない課題は?
お客様のために何をするべき?


こんなふうに、私たちは毎日、大小様々なことを決断しながら生きています。
ただ、疲れているときや、興味がないものに対しては、つい、決断を疎(おろそ)かにしがちです。時には自分の意志だけで決められないこともあるかもしれません。

今日の決断が、プラスの未来に通じる

そんなときこそ忘れてはいけないのが、今日する決断が、明日をつくるということ。あなたに家族や仲間がいたら、彼らの未来を変えるのも、あなたが今日する決断かもしれないということです。

だからこそ、何かを決断するとき、いつも以上のエネルギーを必要とします。そのエネルギーは勇気ともいえます。だって、今日の決断がきっとプラスの未来に通じると強く信じて、未知なる場所へ踏み出すのですから。

食べるものを決めるときは、健康や美容によいものを。
化粧品の成分を決めるときは、できるだけ肌に負担がかからないものを。
誰かと話をするときは、どんなに慌ただしくしていても、できるだけ相手の目を見ると決めています。

日常のどんな小さな決断でも、積み重なれば、やがてあなたの人生をつくっていく大きな力になる。八方ふさがりのように思えるときでも、小さな決断を真剣に積み重ねていけば、どんなこともプラスの結果につなぐことができる。私はそう信じているのです。

小さな決断を疎かにすると、大きな決断ができなくなる

もちろん、生活のなかの細々としたことに対して毎回真剣な選択をするのは大変です。けれど、少なくとも自分が大切に思っている物ごとについては、日ごろから意識的な決断ができるように、つまり「何となく」や「直感」だけに従わ
ないで、自分なりの「理由」を見つけるよう心がけています。

すると、人生の分かれ道となるような大きな決断をするときも、後悔のない決断ができるようになるのです。

実は「決断する力」は、筋力と同じ。日々、小さな決断を繰り返すという〝準備運動〞で鍛えていなければ、進化していきません。
日ごろから自分の心で見極める癖をつけておく、つまり決断するための筋力を鍛えておかないと、肝心なときに「自分は何が好きなのだろう」「どこを目指して生きていきたいのだろう」ということがわからなくなってしまいます。

そうなると、大きな決断をするときに迷ってしまう。
これが、私のいちばん怖いこと。

だから、小さな決断をできるだけ疎かにしないようにする。自分に与えられた時間のなかで、役目を充分に果たし、家族や周囲の大切な人たちと夢や目標を追い続ける。そんな未来をイメージして、ひたすらに日々の決断を大切に積み重ねたい。

50歳という節目、人生のセカンドステージのはじまりを迎えて、今まで以上に強く思うようになりました。

次の記事「誰のためにキレイにするのか」はこちら。

50歳の誕生日を迎えて気づいたこと/君島十和子『私が決めてきたこと』(1) cut5_081r.jpg

君島 十和子(きみじま・とわこ)
高校在学中に「,85年JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年女性誌『JJ』のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、20数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げ、20種類にも及ぶ製品ラインナップを開発。著書に『十和子イズム』(講談社)、『君島十和子の「食べるコスメ」』(小学館)、『十和子塾』『十和子道』(集英社)など多数。

50歳の誕生日を迎えて気づいたこと/君島十和子『私が決めてきたこと』(1) 714C9vjolGLkarui.jpg

『私が決めてきたこと』

(君島十和子/KADOKAWA)

夢をあきらめたこと、大変だった子育て。すべてが「いま」につながっている―。 君島十和子さんが50歳になったいま、妻として、母として、働く女性として感じていること。「決断」をテーマにし、女性がしなやかに強く生きるための31の秘訣をまとめた1冊です。

 
この記事は書籍『私が決めてきたこと』からの抜粋です

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP