絵本はたった「7つのポイント」を抑えて選べば大丈夫!/絵本の読み方 選び方

コロナ禍以降、子どもと過ごす時間が増えている方が多いのではないでしょうか。そこで、絵本の読み方や選び方、読み聞かせの効果などについて理解を深めて、子どもと充実した時間を過ごしませんか? 書籍「子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方」(パイ インターナショナル)から、子どもに絵本をもっと読んであげたくなる豆知識を紹介します。

※本記事は仲宗根 敦子著の書籍『子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方』から一部抜粋・編集しました。

【前回】「子どもの自己肯定感」を高めるために効果的な方法とは?/絵本の読み方 選び方

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読むべき絵本を選ぶための7つのポイント

では、ここからは、絵本の選び方をご紹介します。

選ぶポイントは7つです。

(1)絵を見るだけでストーリー展開がわかる絵本を選びましょう。

(2)読み始めは生活絵本を選びましょう。

(3)対象年齢は気にせずに子どもに合った絵本を選びましょう。

(4)リズム感のある絵本を選びましょう。

(5)喜怒哀楽の感情に訴える絵本を読みましょう。

(6)今も昔も未来も、男女の性別も超えた体験ができる絵本を選びましょう。

(7)芸術も体験できる絵本を選びましょう。

具体的に説明していきますね。

(1)絵を見るだけでストーリー展開がわかる絵本を選びましょう。

子どもは、感覚や感情、イメージを司る右脳が優位なので、絵を見てイメージすることで文章も理解でき、思考力や読解力がついていきます。

子どもは五感が敏感ですので、絵全体を一瞬でイメージして捉えます。

私たち大人には気づかないようなところに気がつきますし、想像力もどんどん広がります。

また絵のページと文章の内容が合っているものを選んでください。

絵と内容のつじつまがあっていないと、子どもが混乱します。

例えばグリム童話の『おおかみと7匹のこやぎ』の絵本で、狼に食べられる前の絵に、「狼に食べられた」と書かれていたりするものがありました。

そうすると絵が与えるイメージと内容が一致しないため、子どもが、興味を持たなかったり、楽しめなかったり、と集中できない原因にもなります。

(2)読み始めは生活絵本を選びましょう。

例えば『くだもの』(福音館書店)などの、身近なものを取り上げた絵本は乳幼児がよく反応します。

まだ何も知識がない赤ちゃんは親が「りんごは赤いね」「りんごはシャキシャキだね」「りんごは甘いね」「りんごは丸いね」と、言葉で伝えることで、「りんご」という存在を認識していきます。

そして、絵本で見たくだものを、スーパーで実際に見つけたときの感動を、しっかり受け止めてあげましょう。

「わぁ、ほんと、りんごだね」「絵本で見たね」などと一緒に感じてあげてくださいね。

子どもにとっての本物のりんごは、まるで、あなたが大好きなアイドルやタレントとばったり出会ったくらいの感動を与えます。

このとき、子どもの脳の神経細胞のネットワークがつながっているのです。

また、子どもが嫌がる生活習慣に困っているママも多いですよね。

例えば、歯磨きやトイレトレーニングやお風呂もそうですね。

歯を楽しく磨く、お風呂に楽しく入る、トイレトレーニングを成功させる絵本を読むことで、子どもは絵でイメージすることができます。

また、何度も繰り返し読み聞かせることで、自分もできるという疑似体験をしますので、実際にやるときも楽しくスムーズにできるようになります。

ただし、1、2回では成功しませんので、すぐに結果を求めず、あくまでも楽しみながら絵本を読んであげてください。

(3)対象年齢は気にせずに子どもに合った絵本を選びましょう。

絵本に慣れている子と慣れていない子では集中できる時間も異なります。

その子が心から楽しめる絵本を選びましょう。

親はどちらかというと「知識を先取りさせたい」と年齢より上の対象年齢の絵本を選びがちですが、絵本に慣れるまでは、まずは楽しめることを優先し、対象年齢は気にせず絵本を選んでください。

例えば5歳のお子さんでも、これまでほとんど絵本の読み聞かせの習慣が無かった場合は、1分以内に読み終わる絵本や、リズム感のある繰り返しの言葉の絵本などを選びましょう。

1回1回「よく聞けていたね!」「集中していたね!」と声をかけます。

そうすると次第に長い絵本も楽しめるようになります。

大切なことは、子どもが絵本を楽しいものと感じてくれることです。

子どもは楽しいと思うことにしか集中しません。

(4)リズム感のある絵本を選びましょう。

子どもは音楽に合わせて飛んだりはねたりすることが大好きです。

韻を踏んだり、繰り返すような、リズム感のあるフレーズは心地良いので、子どもに安心感を与えます。

子どもは何度も繰り返し体験することで、身体感覚も身につけていくことができます。

中でも絵本にたくさん出てくる擬音表現・擬態表現である「オノマトペ」はイメージを広げることができます。

ある書道の先生はお子さんに「はらって、とめて」と技法を伝えるよりも、「さっ、しゅっ、ぽん」など「オノマトペ」で表現したほうが、お子さんたちの字が上手に書けるようになると、仰っていました。

このように、「オノマトペ」や言葉は、身体や脳に良い影響を与えます。

また表現する力もオノマトペを使うことで養われ、感性や個性が豊かな子に育ちます。

(5)喜怒哀楽の感情に訴える絵本を読みましょう。

人間の感情はすべて大切です。

悲しさ、怒ることも大切な感情です。

すべての感情を味わうからこそ、人の心がわかり共感できる人に育ちます。

悲しい内容だから、などと避けずに、いろいろな感情が体験できる、様々な内容の絵本を選びましょう。

(6)今も昔も未来も、男女の性別も超えた体験ができる絵本を選びましょう。

男の子だから車の絵本、女の子だからケーキの絵本などと制限せず、様々なジャンルの絵本を選んであげてください。

絵本の醍醐味は、過去にも未来にも、海の中でも宇宙でも行けて、お侍さんにも、魔法使いにも、小人にもなれることです。

絵本を通してたくさんの疑似体験をすることで、子どもは自分の興味や関心のあることを見つけることができるようになります。

(7)芸術も体験できる絵本を選びましょう。

私は、絵本は本の中で一番芸術性が高いと思っています。

少ないページ数の中で、作家が伝えたいメッセージを、美しい絵と厳選した文章で伝えるために、1ページ、1ページ工夫を凝らしています。

まさに芸術作品だと言えるでしょう。

絵本を選ぶときは、値段ではなく、自分が好きだなと思った絵の作品を手に取ってください。

感性を育てる芸術作品のように絵本を選んで欲しいと思っています。

巻末に、私たち絵本未来創造機構のEQ講師が選んだ、読み聞かせにおすすめの絵本を掲載しています、ぜひ参考になさってください。

【まとめ】

7つのポイントをふまえて、子どもの個性に合った絵本を選びましょう。

 

仲宗根 敦子

絵本の読み聞かせ方を指導する一般財団法人「絵本未来創造機構」代表理事。 絵本講座以外に文章講座、夢を叶える講座などを主催し、教育機関や公立図書館等での講演を行う。絵本読み聞かせのプロフェッショナルとして、同機構の認定講師約800人が国内外で活躍している。

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※この記事は『子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方』(仲宗根 敦子 (著) 篠浦 伸禎 (監修)/パイ インターナショナル)からの抜粋です。

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