"ますらお"には「強く堂々とした、立派な男子」の意味があります。筆者である元・陸上自衛官のぱやぱやくんは、自衛隊の教育機関にいた頃、「ますらお至上主義者」と出会い、感じました。まさに「陸上自衛隊=ますらお」であると! 恋愛模様や気合いの洗濯など、普段はなかなか知ることのできない陸上自衛官のリアルを赤裸々に描いた『陸上自衛隊ますらお日記』(KADOKAWA)。ますらお達の愛とユーモアに溢れた世界をのぞいてみませんか?
※本記事はぱやぱやくん著の書籍『陸上自衛隊ますらお日記』から一部抜粋・編集しました。
「自衛隊員はモテない」と断言するぱやぱやくん。そもそも女性との出会いがまったくないそう。では、出会いがないなら職場で探してみるのも手だと思うのですが...。
【前回】残念ながら自衛隊員はモテません! 坊主に角刈り...そもそもクセが強すぎるんじゃ!/ますらお日記
部隊内恋愛はハードルが高く、危険な罠が潜んでいる
ここで「女性隊員と恋愛すれば」という声も聞こえてきそうですが、これもまたハードルは高いです。
女性隊員は男性隊員よりも圧倒的に少ないので、そもそも供給と需要のバランスが狂っているからです。
そうした環境になると女性が200%増しで可愛く見えるので、妙齢の独身女性は男性達に求愛されるかぐや姫のようになります。
そうした激戦区で戦うのも悪くはないですが、人間関係が複雑に絡み合うことが多いので、そのあたりを上手く整理できる自信がない人はやめたほうがいいでしょう。
特に離島などの場合は、極度に独身女性の数が少ないため、女性の魅力が赤羽周辺のタワーマンションのように高騰します。
そうすると地元の若者をも巻き込んだ「恋愛大戦争」が勃発することもあります。
また、女性が少ない普通科隊員にとっては、男女一緒の教育になる集合教育は数少ないチャンスです。
「愛の集合教育にできるよう頑張ります」などと言って教育に行く若手もいますが、事前にもらった入校者名簿の「カズミちゃん」「ヒロミちゃん」「ユキちゃん」にワクワクして行ったら「全員ゴリラみたいなオッサンだった」という笑い話もあります。
逆に、女性の場合、「陸上自衛隊に入隊をすると99%結婚できる」と言われています。
やはり男性の数が圧倒的に多いので、何かしらのアプローチがあるからでしょう。
なので、男性自衛官と結婚したい方は入隊するといいと思います。
女性隊員は筋肉ゴリラよりさわやかイケメンが好き
モテないますらおが多数派の中、男性隊員達の中には「なんで自衛官になったの?」ぐらいのイケメンもいます。
あるとき、鹿児島出身のイケメン隊員に「なんで、そんなにイケメンなのに自衛官になったの?」と聞いたら、「男のカッコよさは顔の良さじゃなか、みんなが苦しんでいるときに、どれだけ人の役に立てるかが男の真のカッコよさばい」と言っているのを聞いて「ああ、彼は薩摩武士の生き残りなんだな」と感銘を受けたのが印象的でした。
そのようなイケメン隊員達が大好物な女性隊員は一定数いて、「西方の○○連隊には菅田将暉似のイケメン3曹がいて~。北方の○○連隊には山﨑賢人似の○○士長がいて~」と謎のネットワークを用いて全国のイケメン隊員に精通している猛者もいます。
方面記念行事などでは、「今日は○○3曹来るかな~」とアイドルのグルーピーのようにウキウキしていたりします。
ちなみに、女性で美人というよりはイケメンと言えるような容姿の隊員が入った場合は、「宝塚女優」のような人気を博すこともあります。
戦闘訓練中に「えっ、カッコよすぎて無理!」と噂され、一部の女性隊員からカルト的な人気を誇ることになります。