
『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』 (獣医師シワ男/KADOKAWA)第4回【全10回】
愛する家族、ワンちゃんやネコちゃんとの「お別れ」は、いつか必ず通る道。大人世代の飼い主にとって、その不安は切実なものです。書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』(KADOKAWA)は、長年多くの動物を見送ってきた獣医師が、その不安を「安心」と「癒やし」に変えるためのヒントを伝えています。涙なしには読めませんが、読み終えたとき、きっと心の準備ができ、後悔のない看取りへの道筋が見えてくるでしょう。今回はこの本の中から「最期に、この子にとって本当に幸せな選択は何か?」という問いと向き合うために、知っておきたいことをご紹介します。
※本記事は獣医師シワ男 (著)による書籍『うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう』から一部抜粋・編集しました。
「この子、なんとなくおかしい」は、ほぼ当たっている
犬猫が、「なんとなくおかしい」と思う時ってない?
一緒に暮らしているからこそわかる「なんとなく」。
何がおかしいかはよくわからないけど、「なんとなくおかしい...」。
ごはんは食べているし、散歩も行く、おもちゃで遊ぶし、下痢したり、吐いたりもない。どこを触っても痛がらない。けど、「なんとなくおかしい」。この感覚、すごく大事。
「なんとなくおかしい」くらいだから、「病院に行くほどでもない」と自分を納得させて、様子を見る飼主さんは多いよね。シニアだったりすると、「年だから」と年齢に置き換えて自分を納得させちゃう。
犬猫が出しているサインに「なんとなくおかしい」と思った感覚はウソじゃない。共に暮らすぼくら飼主の「感覚」「直感」って、ほぼ当たっている。
「なんとなくおかしい」くらいで、動物病院で診てもらうのは悪いかなと遠慮する飼主さんがいるけど、全然そんなことはない。もしかしたらプロが診たらわかるかもしれない。
動物病院で検査して、西洋医学では異常がなくても、東洋医学(※1)の観点から診ると異常な時がある。
東洋医学では、血液の流れが悪くなって 瘀血(※2)になると筋肉や関節、お腹が痛くなったり、体が冷えると背中やお腹、関節が痛くなって、「なんとなくおかしい」と感じる時があるから。
瘀血や体の冷えは、検査しても異常値が出ない。そんな時は獣医師の腕の見せどころ。犬猫をよく診て触って、確認する必要がある。問診、視診、触診をして、全体を診ながら細かくチェックしていく。
だから、「なんとなく」でもいいので診せてほしい。自分の「感覚」「直感」を信じて、犬猫が出している「なんとなく」のサインをそのままにしないで。
※1 東洋医学:体全体のバランスを整えて、自然に治る力を高める医学。
※2 瘀血:中医学で、血液が汚れたり、粘度が高まって流れにくくなること。俗に言う、血液ドロドロの状態で、血の流れが滞り、組織や臓器に十分な栄養が行き渡らない。








