『ねこむかしばなし』

◆時そばなねこ

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◆元となったむかしばなし


時そば
日本の江戸時代のお話。あるところに屋台のそば屋がありました。
だいたい9時を回ったころ、そこに一人の男が来店します。男がお勘定を始めました。合計16文の支払いでしたが、男が言うには細かいお金しか持ち合わせていないので間違えないように一緒に数えてほしいというのです。男が数えます。「1つ、2つ...、7つ、8つ、そういえば今何時(なんどき)だい?」「はい、9つです」「10、11、12...」。こうして男は1文ごまかすことに成功しました。
それを見ていた別の男が自分もそれを試したいと意気込みます。別の日、だいたい4時を回ったころ、その男はまったく同じことを店主に行います。「1つ、2つ...、7つ、8つ、そういえば今何時だい?」「はい、4つです」「そうかそうか。5つ、6つ、7つ...」。

 
※この記事は『ねこむかしばなし』(ぱんだにあ/KADOKAWA)からの抜粋です。

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